価格差は最大4,358円!“1㎡あたりの平均家賃”から見る「東京23区 家賃が安い駅・高い駅ランキング」

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公開日:2025年10月1日
更新日:2025年10月1日
価格差は最大4,358円!“1㎡あたりの平均家賃”から見る「東京23区 家賃が安い駅・高い駅ランキング」1

コスト上昇や円安による物価高に家計が圧迫されている昨今。さらに都心回帰の傾向も重なり、東京23区の平均家賃も高騰し続けています。部屋探しにもコスパの良さが強く求められる中、株式会社CHINTAIは同社の賃貸物件検索サイト「CHINTAIネット」に掲載された東京都23区の物件データをもとに、1㎡あたりの平均家賃が安い駅・高い駅を算出、ランキング形式で公表しました。

家賃が安い駅トップ10──足立区が多数ランクイン

1㎡あたりの平均家賃が最も安かったのは、江戸川区の「葛西臨海公園」の2,242円。2位は足立区の「見沼代親水公園」が2,607円、以下、同じく足立区の「江北」2,643円、「舎人」2,654円、「高野」2,666円と、足立区から最多の7駅がランキングされる結果となりました。

表:1㎡あたりの平均家賃が安い駅ランキング【東京都23区編】

順位 駅名(区) 路線 1㎡あたりの
平均家賃
1位 葛西臨海公園
(江戸川区)
JR京葉線 2,242円
2位 見沼代親水公園
(足立区)
日暮里・舎人ライナー 2,607円
3位 江北
(足立区)
日暮里・舎人ライナー 2,643円
4位 舎人
(足立区)
日暮里・舎人ライナー 2,654円
5位 高野
(足立区)
日暮里・舎人ライナー 2,666円
6位 喜多見
(世田谷区)
小田急小田原線 2,740円
7位 扇大橋
(足立区)
日暮里・舎人ライナー 2,750円
8位 竹ノ塚
(足立区)
東武伊勢崎線・
スカイツリーライン
2,780円
8位 西新井大師西
(足立区)
日暮里・舎人ライナー 2,780円
9位 瑞江
(江戸川区)
都営新宿線 2,787円

※2024年6月1日~2025年5月31日までに「CHINTAIネット」へ掲載された東京都23区内の物件が対象に、各物件の1㎡あたりの家賃を計算し最寄り駅ごとの平均を算出
※1㎡あたりの平均家賃は、小数点第1位を切り捨て

1㎡あたりの平均家賃が安い駅の共通点は?路線・地価・生活環境に注目

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ランキングを見てまず気付く点が足立区の多さ、そして「日暮里・舎人ライナー」の沿線駅の多さです。この路線は国土交通省が公表している混雑率ランキングでワースト1位(177%:立った状態で隣の人と肩が触れるがスマホが見られるレベル)となった「赤土小学校前→西日暮里」の区間を含みます。

沿線の大部分を占める足立区西部は、2008年の開業まで鉄道空白地帯であり、東京23区の中でも地価が比較的手ごろです。急速に宅地化が進行したエリアのためブランド力もそれほど高くなく、生活インフラも他エリアと比べると若干見劣る部分もあって今回のランキングでも大部分をしめる結果となったようです。

今回ランクインした駅は、東京23区の中でも比較的家賃を低く抑えられる城北・城東エリアに多く、そのうえ都心の主要エリアへも時間、距離の両面において大きな苦労をすることなくアクセスできます。そのため、学生を含めた一人暮らしやファミリー層に関わらず負担を軽減しながら生活することが可能です。

都心の家賃が高騰し続ける中、「通勤・通学に少々時間がかかっても、広さと家賃のコスパの高さを重視したい」と考える人にとって無理なく暮らせる、現実的なエリアと言えます。

また、都心と比較すると自然も豊かで、静かでのんびりした雰囲気も魅力です。

家賃が高い駅トップ10──港区が上位を独占

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1㎡あたりの平均家賃が最も高かったのは、港区の「外苑前」の6,600円。そして2位「竹芝」6,492円、3位「虎ノ門ヒルズ」6,151円、4位「溜池山王」6,122円、「新橋」6,120円など、1位から7位までを港区にある駅がランクインする結果に。

以下、東銀座、築地市場のある中央区など、タワーマンションが林立するエリアがランキングのほとんどを占めています。

1㎡あたりの平均家賃が高い駅ランキング【東京都23区編】

順位 駅名(区) 路線 1㎡あたりの
平均家賃
1位 外苑前
(港区)
東京メトロ銀座線 6,600円
2位 竹芝
(港区)
ゆりかもめ線 6,492円
3位 虎ノ門ヒルズ
(港区)
東京メトロ日比谷線 6,151円
4位 溜池山王
(港区)
東京メトロ銀座線 6,122円
5位 新橋
(港区)
JR山手線 6,120円
6位 赤坂見附
(港区)
東京メトロ丸ノ内線 6,064円
7位 虎ノ門
(港区)
東京メトロ銀座線 6,060円
8位 東銀座
(中央区)
東京メトロ日比谷線 6,055円
9位 築地市場
(中央区)
都営大江戸線 6,036円
10位 原宿
(渋谷区)
JR山手線 6,015円

※2024月6日1日~2025年5月31日までに「CHINTAIネット」へ掲載された東京都23区内の物件が対象に、各物件の1㎡あたりの家賃を計算し最寄り駅ごとの平均を算出
※1㎡あたりの平均家賃は、小数点第1位を切り捨て

1㎡あたりの平均家賃が高い駅の共通点は?ブランド力と利便性がカギ

1㎡あたりの平均家賃が「高い」駅に見られる特徴は、先述の通り、港区にある駅が上位トップ7を占めていること。同区や中央区、渋谷区と合わせて都心6区と呼ばれるエリアに該当します。

なかでも特に、大企業やオフィスビル、様々な商業施設が集積しているエリアが今回ランクインしている駅の周辺。複数の路線が利用できることで「働く」と「遊ぶ」のエリアがともに生活圏内にあるという利便性の高さや、都市としての高いブランド力が、そのまま平均家賃に反映されたと言えるでしょう。

まとめ|家賃差を活かした賃貸戦略とは?

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今回のランキングを見ると、1㎡あたりの平均家賃の「安い駅」は城東・城北エリア、「高い駅」は城南エリアに集中していることがわかりました。

さらに、最も高い駅となった「外苑前」(6,600円)と、最も安い駅となった「葛西臨海公園」(2,242円)を比較すると、その差は4,358円。一般的に一人暮らしに必要な面積とされる25㎡に当てはめて計算すると、「外苑前」で暮らすなら165,000円、「葛西臨海公園」なら56,050円となり、その差はじつに108,950円にもなるわけです。

賃貸経営では、これらをふまえて戦略を立てる必要があります。平均家賃が安いエリアにおいては、入居者はコスト面を重視する傾向にあり、物件を決める際に「駅からの距離」「目的地までの時間」「設備」といった実利面から、妥協点を模索しつつ支払い可能な家賃に見合う物件を探します。

そのためオーナー側は、過剰なリフォームへの投資よりも、必要十分の修繕や無料ネット回線の整備といったコストパフォーマンスの高さが実感できる施策が有効と言えます。

価格差は最大4,358円!“1㎡あたりの平均家賃”から見る「東京23区 家賃が安い駅・高い駅ランキング」2

一方、平均家賃が高いエリアでは、入居者は利便性やブランド志向を重視します。「駅から近い」「深夜でも安心」といった条件や「人目を惹くデザイン」、オートロック、宅配ボックスなどの安心アイテムや、対面キッチンなどのハイグレードな設備・仕様が揃っていれば、高い家賃に設定したとしても納得感を持って入居してもらえるでしょう。

このように、安いエリア・駅では学生や単身層をターゲットに、高いエリア・駅ではパワーカップルに代表される富裕層をターゲットにした戦略を立てることが重要です。

エリアや駅の特性に応じて「コスト面で訴求する」か「ブランド力に見合う付加価値で訴求する」を見極め、入居者が求めている価値と事業の継続に必要な収益性のバランスを取ることが賃貸経営を成功させるカギと言えるでしょう。

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2025年10月1日時点のものです。

取材・文/御坂 真琴

ライタープロフィール
御坂 真琴(みさか・まこと)
情報誌制作会社に25年勤務。新築、土地活用、リフォームなど、住宅分野に関わるプリプレス工程の制作進行から誌面制作のディレクター・ライターを経てフリーランスに。ハウスメーカーから地場の工務店、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、販売促進ツールなどの制作を手がける。

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