大規模修繕は外観にカラーデザインをプラスで賃料アップ
- 大規模修繕(外壁・屋根)
お金のかかる大規模修繕。ただ修繕するだけではもったいないと思いませんか?大規模修繕と一緒にちょっと手間を加えることで、物件の価値は上がります。そのヒントを株式会社市萬の栗原さんがお伝えします。
修繕時のひと工夫で物件の価値を上げ続ける
今や3割を超える空室率の賃貸市場。それでも新たに物件が増え続けています。そんな中で競争力を上げるには、次から次へと新築物件と同じような最新設備を取り入れていけばよいのでしょうか。それではきりがありません。私はデザインがその差別化に大きく役立つのではないかと思っています。
古くなった物件には「修繕」がつきものですが、「修繕費は無駄な出費」と思っている人は多いのではないでしょうか。それは「壊れたところを直す」、そんな修繕をしているからだと思います。「直す」=「元の古い状態に戻す」。それでは時代遅れになり、市場の競争から置いてきぼりにされてしまいます。
ですが、修繕の際にちょっとした手間を加えることで、時代に合った新しい価値を生み出すことができます。これは、原状回復も大規模修繕も同じです。
例えば大規模修繕。せっかく外壁塗装をするのですから、元の色にする理由はありません。新たな色にすることで、物件をリニューアルする。修繕費を「無駄な出費」ではなく、「新たな価値を生み出す経費」と考えてみてはいかがでしょう。余談ですが、欧米では、古い物件ほど価値が上がります。それは、住まう人がメンテナンスし、物件の価値を上げているからにほかなりません。
大規模修繕をお考えなら、ぜひ一度、物件の価値を上げるためのさまざまな方法を専門家に相談してみてください。
「外観の色を変える」だけのデザイン変更で賃料アップ
私たちが手掛けた、大規模修繕にひと手間を加え、賃料アップにつながった事例をご紹介します。
JR南武線「久地」駅徒歩8分の物件です。同物件は築24年で軽量鉄骨造3階建て、17戸のワンルーム。修繕前の家賃は4万円。周辺には同じような年代の、同じような見た目のアパートが多く、賃料は年々下がり続けていました。そんな折、オーナー様から大規模修繕のご相談をいただき、賃料の下落防止対策もあわせてご提案しました。とは言っても、高額な費用を掛けるわけにはいきません。
修繕にあたっては、現在の入居者プロフィールを参考にターゲットを考え、20代の単身者に設定。マイナスをゼロに修繕するだけでなく、足場がある間に、外壁の色を変える物件のリニューアルを実施しました。
色はデザイン会社と一緒に考え、周辺の自然と調和する、グリーンを取り入れました。トーンを変えた三色のグリーンを、各玄関ドアと階段の壁面に順番に使い、リズミカルで特徴のある物件となりました。
総工費950万円のうち、実際に掛かったカラーリング費用は50万円でしたが、改修前に比べ、明るい雰囲気になり、家賃は改修前の1割アップで決まるようになりました。さらに、仲介会社からは「あのオシャレな物件」として認知され、退去後の内見数が大幅に増え、成約までのスピードが上がりました。
賃料もアップし常に満室になり、オーナー様も満足されています。
建物バリューアップ事例
築24年の築古物件。近隣に競合物件が多く、入居率・賃料の低下で悩まれていたオーナー様に大規模修繕と同時に他物件との差別化を図る施策をご提案しました。
【提案内容】古くなり、見た目の悪さから入居率、賃料ともダウン。カラーコーディネートにより物件の環境・イメージに合った外観にすることで物件の差別化を図る
【結果】改修後の賃料は1割アップで成約。個性的な色遣いで仲介会社への認知が進み、賃貸を探している人に紹介してもらいやすくなった。
【工事金額】950万円(内カラーリング50万円)
※この記事内のデータ、数値などに関しては2017年9月5日時点の情報です。