相続対策の基礎知識(4)~節税対策編~|生前贈与や評価額を圧縮する【不動産オーナー向け】

相続/節税/保険
公開日:2020年6月8日
更新日:2020年6月15日
相続対策の基礎知識(4)~節税対策編~|生前贈与や評価額を圧縮する【不動産オーナー向け】1

相続税の節税対策のポイントは「課税財産を減らす」「財産の評価額を下げる」の2つ。ここでは、生前贈与の活用や賃貸住宅の建築などで課税評価額を下げる方法について解説する。(監修協力:フジ相続税理士法人/株式会社フジ総合鑑定)

「生前贈与」は相続税の課税対象を減らす対策の王道

節税のポイントは2つある。1つは、相続税の課税対象になる財産を減らすこと。2つめは財産の評価額を下げることだ。

前者の王道は「生前贈与」である。贈与税には相続税以上に厳しい累進税率が適用されるため、安易な贈与は禁物だが、税法上で認められた仕組みを活用すれば、節税効果を高められる。

それは、110万円の基礎控除を使って時間をかけて贈与する方法と、一度に多額の資金を移転できる特例を活用する方法だ。有効な方法とはいえ、実行する際には特定の相続人に偏らないようにしておこう。

なお、「贈与税の配偶者控除」を使うことは、二次相続まで同じ世代で横に財産を迂回させるのと同じ結果になる。「相続税の配偶者の税額軽減」(配偶者が相続する遺産額が、1億6,000万円か法定相続分のいずれか多い金額までは相続税がかからない特例)も同様だ。

いずれも長期的に見てどこまでの使用が妥当か慎重に検討したい。

生前贈与の注意点と相続税の基礎控除

生前贈与で特に注意したいのは、相続開始前3年以内に実行された贈与は、贈与を受けた者が相続などで財産を取得した場合、相続財産に持ち戻されてしまうという点。
直前対策は無効というわけだ。

課税対象の財産を減らすという点では、相続税の基礎控除も関係する。基礎控除額の計算式は「3000万円+600万円×法定相続人数」。

つまり法定相続人の数が多いほど基礎控除が大きくなるため、かつては養子を増やすことが節税対策の一つに数えられていた。

大家イチロウさん一家の基礎控除は?

相続対策の基礎知識(4)~節税対策編~|生前贈与や評価額を圧縮する【不動産オーナー向け】2

法定相続人は妻と子3人の計4人なので「3000万円+(600万円×4人)=5400万円」となる。

現在は、相続税の基礎控除を計算する際の法定相続人に含めることができる養子の数が制限されている。実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人までだ。相続人が増えると分割トラブルになりやすいため、節税目的の養子縁組はおすすめできない。

Case Study:生前贈与で課税財産を減らす

(1)長期的に減らす

贈与の事実があったことを税務署に証明するため、毎年贈与税の申告を行うとともに、その都度、贈与契約書を作成する必要がある。

基礎控除110万円を少し超える範囲で何度も贈与
相続対策の基礎知識(4)~節税対策編~|生前贈与や評価額を圧縮する【不動産オーナー向け】2

(2)短期的に減らす

贈与税が一定額まで非課税になるさまざまな特例が設けられている。適用にはそれぞれ一定の条件を満たす必要があるが、子や孫(受贈者)にまとまった金額を移すことができる。

(a)各種贈与の特例
相続対策の基礎知識(4)~節税対策編~|生前贈与や評価額を圧縮する【不動産オーナー向け】2

※いずれも時限措置、2020 年4 月時点

(b)贈与税の控除
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