常に定員超え!元銀行員の代表が開催する大家さん勉強会

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大家さん同士の絆を深め、不動産賃貸業に必要な知識を共有することを目的に、2013年10月に誕生した『東京調布大家の会』。4年目を迎え、メーリングリスト掲載者は315名に上る盛況ぶりだ。セミナー講師も務める代表の海野真也さんに同会の特徴や活動内容をお伺いした。

東京調布大家の会代表 海野 真也さん

昭和48年12月生まれ。静岡県静岡市出身。中央大学法学部卒。大手地方銀行で融資営業、大手生命保険系運用会社で投資信託コンサルティングに携わり、2014年より専業大家。4棟64室の賃貸物件を所有。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト


銀行時代に培った知識とノウハウを広くシェアしたい

京都、東京、福岡で計4棟の賃貸マンションを所有する海野さん。賃貸経営に興味を抱くきっかけとなったのは、新卒で入社し、8年間勤めた銀行時代のことだった。

「融資担当として、破綻しかけた大家さんの経営再生を任され、必死で入居率の回復に取り組んだ結果、ほどなく入居率は90%以上に回復しました。この経験から、賃貸経営は経営意識を持って普通にきちんとやっていれば、失敗するはずがない事業だと感じました」と振り返る。

海野さんは銀行時代に培ったファイナンス、税務や運用会社時代に培ったマクロ経済分析に関する豊富な知識、経験を他の大家さんの経営にも役立ててもらおうと、2013年10月に『東京調布大家の会』を発足。

大家さん同士の絆を深め、不動産賃貸業に必要な知識を共有することを目的に、調布市教育会館にて2カ月に1回のペースで勉強会(1人1,000円)と懇親会(1人5,000円)を実施している。勉強会は二部制で、第一部は、必ず代表の海野さんが講演し、第二部は参加者の中から講演したい希望者を事前に募っている。毎回必ず会の代表自ら講演する勉強会は珍しく、この会の特徴と言えるだろう。

「ただし、勉強会・懇親会会場では宣伝・勧誘・営業行為は厳禁。不動産業者の方からの講演希望は断っています」と海野さん。

年6回の勉強会を開催し、毎年同じ6テーマで講演

海野さんが講演する第一部のテーマは、2月「空室対策」、4月「私の物件の購入の仕方」、6月「元銀行員から見た税務」、8月「私の失敗談」、10月「銀行融資の基礎編」、12月「銀行融資の中級編」の6パターン。毎年同じテーマで行っているのが特徴だ。

「次から次へと新たなテーマを出したりせず、毎年同じテーマで内容をブラッシュアップして解説しています。そこに魅力を感じて、参加し続ける方が増えている気がします」

同会は自由なスタイルの非会員制コミュニティ。年間費はなく、その都度、勉強会・懇親会への参加費を支払うシステムだ。ホームページの告知等で参加者を募っているが、口コミでも評判が広がり、メーリングリスト掲載者はすでに315名に上る。勉強会の定員は80名、懇親会の定員は38名だが、調布エリアに限らず、関東近県の各地から申し込みがあり、会の発足時に5名だった参加者は、今では毎回、80名を超えるほどだ。

2018年8月4日(土)に開催された勉強会

1部は『しくじり大家~不動産賃貸経営におけるトラブル事例2018~』と題し、海野さんが講演

参加者はサラリーマン大家さんが8割で、地主系大家さんが2割。最近は20代後半~30代半ばの若い大家さんの参加が増え、女性の参加率も上がってきている。

「ここのところ参加メンバーが定着してきて、勉強会も懇親会も告知するとすぐに埋まってしまいます。他の会ではやらないような専門的なテーマを取り上げて、わかりやすくお伝えしているからでしょう。写真も用意して講演するので、みなさん熱心に聴いてくださいますね」

人気の秘密は賃貸経営に対する海野さんのブレない姿勢にもありそうだ。

「出口戦略を取らないことが私の賃貸経営の基本方針で、購入した物件は原則として売却しません。出口を絶つことは、自分の退路を断つこと。常に自分にプレッシャーをかけ続けることで、物件を見る目も厳しくなります。

また、私は個人事業主のままで、法人化もしません。最低税率なら個人の方が安く、法人化する必要がないからです。個人の税制って、実は仕入れや在庫が発生する事業者が前提となっているんです。

大家業には仕入れや在庫はありませんから、税制をうまく活用すると、法人化するよりも簡単に節税できると思います」

こうした実体験に基づく知識やノウハウを、ファイナンスのプロから惜しげなく披露してもらえる機会はそうない。参加者は個々の状況と照らし合わせやすく、実践もしやすいだろう。

個別の無料相談も実施。今後は実践的な訓練も提供したい

海野さんは勉強会の参加者を対象に、個別の無料相談も受け付けている。

「勉強会実施後に2~3件、京王線国領駅の近くのファミリーレストランで行っています。有料にしないのは、弁護士や税理士のような有資格者ではないし、常に正しいアンサーを与えてあげられるわけではないからです。相談内容は空室対策、融資の受け方、相続の悩みなどさまざまですが、他の大家さんの相談に乗ることで、逆に自分の気づきにつながることも多く、ある意味、私の学びの場にもなっています」

今後は従来のベーシックな勉強会に加えて、ハイレベルなクラスをつくり、実践的なトレーニングも提供したいと海野さんは構想中だ。

「お題を出して、物件の購入可否の判断を時間内でやってもらう訓練を提供してみたいと思っています。5分で担保評価を行い、ハザードマップに対応しているYahoo!マップで物件を確認して津波や水害リスクをチェック。Googleのストリートビューで調べて物件近くの不動産会社に電話し、周辺に入居者から敬遠されるような施設の建築予定や臭気を発する建物があるかを尋ねるなど、短時間で課題をクリアしていただくような内容を考えているところです」

同会では大家さんだけでなく、大家さんをめざしている人や不動産業者の参加も歓迎している。勉強会に興味が湧いた方は、東京調布大家の会ホームページの「お問い合わせフォーム」から申し込んでみてはいかがだろう。

※この記事は2018年8月に取材をしたものです。

取材・文/菱沼 晶 撮影/豊島 正直

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