何が、どう変わる?約40年ぶりに改正された「相続法」の改正ポイント

相続/節税/保険
公開日:2018年12月24日
更新日:2019年11月18日

自筆証書遺言に関する見直し

1)自筆証書遺言の方式の緩和(2019年1月13日施行)

遺言は自筆で作成することもできます。しかし、自筆証書遺言は遺言書の全文を自書する必要があり、作成は容易ではありません。

そこで遺言書のうちの財産目録は各頁に署名押印をすれば、パソコン等で作成した目録や、銀行通帳のコピーや不動産の登記事項証明書等を目録として添付することができると改正されました。

2)法務局における遺言書の保管制度(2020年7月10日施行)

現在、自筆証書遺言を預かってくれる公的機関はなく、紛失や改ざんの恐れがありました。今回の改正では、法務局が自筆証書遺言を保管する制度が新設されました。

遺留分制度に関する見直し(2019年7月1日施行)

遺留分(被相続人の兄弟姉妹以外の相続人に対して法律上確保された相続財産の割合。)が侵害された場合、現行法では遺留分侵害の限度で贈与又は遺贈された物件(持分)の返還請求ができるとされています(遺留分減殺請求)。その結果、遺留分減殺請求によって一部の持分が返還され、共有状態が生じます。

しかし、共有状態では目的財産を特定の人に与えたいという遺言者の意思が実現できなくなる恐れがあり、権利関係が複雑になります。

そこで、遺留分減殺請求で生ずる権利は物件の返還ではなく、遺留分侵害額に相当する金銭債権になると改正されました。金銭債権することで共有関係が当然に生ずることを回避できるようになります。

また、この金銭債権は裁判所に対し、分割払いの許可を求めることもできるようになります。

相続人以外の寄与分が金銭で請求可能に

子の妻のように相続人以外の親族は、どんなに被相続人の介護に尽くしても相続人ではないため、被相続人の死亡に際し、相続財産の分配にあずかれないのが現行法でした。

しかし、被相続人の子が先に死亡しており、その妻が被相続人の介護を無償で行っていた場合、介護をしていない他の子が相続を受けられるのと比較すれば実質的に不平等な状態が生じます。

そこで、相続開始後に相続人に対し、金銭(特別寄与料)の請求ができると改正されました。

何が、どう変わる?約40年ぶりに改正された「相続法」の改正ポイント0

今回の相続法の改正は相続のあり方を大きく変えるものです。すでに遺言をされている方も、内容を見直すことが必要かもしれません。

※この記事内のデータ、数値などに関しては2018年12月12日時点の情報です。

イラスト/黒崎 玄

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