管理会社と良好な関係を築く!付き合い方のポイントは?
家賃収納代行から建物設備のメンテナンスまで、賃貸経営に欠かせない管理業務を担うのが管理会社。付き合い方次第で空室改善も?オーナーに代わって入居者と建物を守ってくれるパートナーとの関係構築の仕方を解説!
管理会社の現場スタッフから「こんな大家さんはうとまれる」という声を集めると…
- 何かと口うるさい割に、財布のひもが固い。
- 必要なコストをケチる
- 公私混同して業務以外のサービスで要求する。
- 事後的に値切る
- 出入りの業者扱いで、尊大な態度で命じる
これでは、管理会社はオーナーの味方にはなってくれません。
もともと賃貸管理に係る業務は、オーナーが自前で行ってきたことです。今も自主管理をして、個別に保守点検や修繕の発注をするオーナーもいます。これらの業務全般をアウトソーシング(外部委託)する相手先が管理会社です。仲介会社と同様に、賃貸経営の重要なビジネスパート―ナーとして、対等に接することが大切でしょう。
1.業務委託の範囲を明確にして管理会社と対等に付き合う
オーナーは経営者としての自覚を持ち、必要な業務はきちんと対価を払って依頼するというのが基本です。そのためには、管理会社の業務や責任の範囲、それぞれの報酬を明確にしておかなければなりません。管理の主要業務は、契約管理・清掃・設備管理の3つにわけられます(§2-13図キャプション参照)が、清掃一つとっても、§2-13のように内容は多岐にわたります。清掃業務の報酬がいくらで、どの作業が含まれるか、コンセンサスを得ておきましょう。
2.管理会社に権限を委譲し、入居者サービスを充実
設備トラブルの対応や修繕に費用がかかる場合、オーナーの承認を求めるのが一般的です。その時に、管理会社から連絡を入れてもオーナーがなかなか電話に出ないと、トラブルへの迅速な対処がでません。こうした初動の遅れが、ひいては入居者の退去につながり、空室を悪化させるおそれがあります。
そこで、緊急時にオーナーと連絡がとれなかった場合に、どのように対応するかを事前に取り決めておくべきです。「数万円以下の少額の補修については、管理会社の裁量で行い、事後報告で構わない」など、一定の範囲で権限を委譲することも必要でしょう。
3.労いの言葉を掛け、感謝の意を表す。ほど良い緊張関係も大切
まともな管理会社であれば、建物の保守点検、入居者対応に関する定期的な状況報告や連絡をしてくれます。これは委託契約で決められた業務かもしれませんが、「やって当たり前」という態度は好ましくありません。
入居者がスピーディに決まったり、トラブルをスムーズに解決したり、滞納家賃を早期に回収できたときなど、きちんと対応してくれた時は管理会社の担当者に労いの言葉をかけてあげることをお勧めします。自分たちの仕事の存在意義が認められれば、より頑張ってくれるでしょう。パートナーとして信頼関係を作り、交流を深めることが大切です。
一方で「飲み会を開いて親しくなることを推奨するオーナーもいるが、自分はそこまではやらない。慣れ合いは禁物。ほどよい緊張関係を保つほうが望ましい」と指摘するベテラン大家さんもいます。空室率が悪化したり、入居者対応が悪くなったりすれば、管理会社を変更するとこともあるという厳しい態度を示すことも、管理の質を維持するポイントだからです。
文/木村 元紀