管理会社の業務内容と知っておくべきサブリースの特徴

賃貸経営は、管理次第で収益性が大きく変わります。空室にお悩みなら、管理会社に依頼している業務内容を見直し、何をどう変えられる可能性があるのかを検討するのがおすすめ。管理会社の主な業務内容と委託管理とサブリースの違いについてまとめました。

委託管理は入居率、サブリースは保証率が良し悪しの判断基準に

賃貸経営は、管理次第で収益性が大きく変わる時代を迎えています。

空室や家賃滞納は増加傾向にあり、管理会社に不満を感じているオーナーや、新たな委託を検討している自主管理オーナーも増えてきました。

空室に悩んでいるなら、まずは管理会社に依頼している業務内容を見直して、管理の何をどう変えられる可能性があるのかを検討してみましょう。

管理会社の業務は、「入居者管理」と「建物管理」の二つに大きく分かれます。それぞれの主な業務内容は、表の通りです。

管理業務の主な内容
入居者管理 入居者募集・選定・審査
賃貸借契約締結代行、契約更新・解除手続き
家賃収納(集金代行、滞納督促、家賃保証)
クレーム対応、トラブル処理
退去立会い、敷金精算、原状回復、リフォーム
建物管理 日常清掃、定期清掃、植栽管理
室内設備の修繕、設備機器会社手配
共用設備の保守点検、電球交換
建物外回り小修繕、設備不良・故障の修理
長期修繕計画の立案、大規模修繕の実施

 

特に空室対策の面で重要で、会社の実力の差が出るのが「入居者管理」です。

入居者管理は、その基幹業務である家賃収納の形式によって、さらに二つのタイプに分かれます。

一つは、集金代行・滞納督促などを行い、そこから3~5%の手数料を取る「委託管理」です。空室が出たら、入居者募集を自社で行うか、仲介会社に依頼して集客を図ります。滞納や空室時の保証サービスをオプションで付ける場合もあります。

もう一つは、一括借り上げをして、空室に関わらず一定家賃を保証するタイプです。

いわゆる「サブリース」で、手数料は賃料の10~15%相当額です。オーナーは仲介手数料や広告料などを負担する必要はありません。ただし、礼金や更新料はサブリース会社の収入になります。

委託管理とサブリースのどちらにするかは、オーナーが管理運営に関われる程度や、手取り収入の高さと経営の安定性のどちらを重視するかで決まります。

物件によって使い分けてもいいでしょう。

管理の質はどこで判断すればいい?

では、管理の質の良し悪しを判断する基準は何でしょうか?

委託管理の場合は、受託管理物件の「入居率」です。

表の通り、平均で90%強の水準です。ただし、入居率の計算方法が会社によって違います。高い数値が出やすい住み替えシーズンの3月末の集計なのか、年間の平均値か、集計方法も確認した方がよいでしょう。

いずれにしても、入居率が明確でない会社は避けた方が賢明です。

管理会社の業務内容と知っておくべきサブリースの特徴2

管理会社の入居率

一方サブリースの場合、良し悪しの判断基準となるのは、入居率よりも保証率です。手数料が賃料の15%なら、85%の保証率ということになります。

通常は「当社査定賃料の○%」という表示が多く、会社によって査定賃料に差があります。実際の相場賃料に対して何%になるかを計算して、比較検討した方が良いでしょう。

文/木村 元紀

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