手厚い補助で安定経営をかなえ、社会にも貢献できる「東京ささエール住宅」

東京都では住宅の確保に配慮が必要な方の入居を拒まない「東京ささエール住宅」の供給促進に取り組み、賃貸オーナーに向けて様々な支援を行っています。

今回は専用住宅に登録し、補助制度を活用されたオーナーYさんにお話をうかがいました。住宅改修と家賃低廉化の内容などをご紹介します。

オーナーYさん

入居者確保のために登録。空室が解消できて安定経営につながりました

「空室を登録してみたところ、すぐに埋まりました。長期入居、安定収入がかなうメリットも大きいので、現在は退去が出る都度、登録して専用住宅を増やしています（Yさん）」

東京ささエール住宅とは？

「東京ささエール住宅（セーフティネット住宅）」とは、高齢者、障害者、子育て世帯など、住宅の確保に配慮が必要な方の入居を拒まない賃貸住宅のこと。オーナーは「専用住宅」の登録により、改修費補助などが受けられます。入居中でも1戸から登録可能で、無料で登録でき、オンラインで完結します。

登録要件

【構造】新耐震基準に適合している
【設備】台所、便所、収納、浴室を備えている
【規模】原則25㎡以上 ※着工日により緩和あり
【条件】家賃が近傍同種の住宅と均衡を失しない

詳しい要件は資料やホームページをご確認ください

長期入居と安定収入が実現。トラブルも全くありません

オーナーのＹさんが八王子市に所有する築36年の物件をセーフティネット住宅（東京ささエール住宅）にされたのは５年前のこと。

立て続けに入居者の退去があったのをきっかけに、「専用住宅」に登録されたといいます。

登録後、八王子市の募集（※※八王子市の家賃の低廉化補助を受ける場合）ですぐに抽選による入居が決まり、経営面でも安定が図れるとわかったため、Ｙさんは退去の都度、空いた部屋を登録。

その際、改修費の補助を受けて間取り変更や子育て世帯対応改修、バリアフリー改修などを行い、現在、同じマンションの計13戸を「専用住宅」にされています。

専用WEBサイトに物件情報を公開。自治体から家賃低廉化補助を受けられる場合も

メリットは補助金だけではありません。物件を登録すると専用ＷＥＢサイト「セーフティネット住宅情報提供システム」に情報が掲載され、住宅確保要配慮者に広く公開されます。

また、オーナーが自治体から家賃の低廉化補助を受けられる場合、入居者は相場より低い家賃負担となるため、入居を促す後押しになり、空室解消につながりやすいです。

その他、居住支援法人による入居相談や、入居後の見守りサービスなどを活用することもできるので、受け入れるオーナーにとっても安心です。

トラブルもなく安心

「ご入居者は、一度入居が決まると退去されることが少ないです。長期にわたって安定した家賃収入が得られるのがうれしいですね」とＹさんは語る。
登録した当初は、オーナー側が入居者を選べないことに不安もあったというＹさん。

「成約前には八王子市がきちんと面談をしてくれました（※八王子市の家賃の低廉化補助を受ける場合）。実際のところ、ご入居者は住宅セーフティネット制度について自ら調べて申し込む意欲のある方ですから、お人柄も前向きでしっかりされている印象です。これまでにトラブルで困ったことは一度もありません」と笑顔を見せています。

【改修事例紹介】改修費補助を活用、コストを抑えて物件をグレードアップ

Yさんは八王子市にあるマンションの13戸を専用住宅に登録。

その多くは間取りを3LDKから2LDKに変更し、子育て世帯対応改修やバリアフリー改修などを実施しています。

改修費600万円／戸のうち、200万円は八王子市の補助金を活用。家賃低廉化補助（4万円）が受けられるため、募集後にすぐに成約となりました。

8畳のLDKと洋室の仕切り壁を取り払って15畳のLDKに変更。明るさも広さも見ちがえる住戸になっています。

家賃低廉化補助〈活用イメージ〉

区や市がオーナーに対し1戸につき月額最大4万円を補助金として交付。入居者の家賃負担を軽減される制度です。オーナーが得る賃料は減ることはなく、手堅く家賃収入が確保できます。

【新制度】申請手続きを一本化。耐震改修費補助も新設

東京都は、「専用住宅」の供給に拍車をかけるため、今年から「東京ささエール住宅貸主応援事業」を新たに開始。各補助メニューをパッケージ化し、１回の申請で様々な補助メニューを活用できるようにしています。

※予算上限額に達した時点で受付を終了

さらに、耐震性が不十分な住宅であっても登録が進むよう、耐震改修費に係る東京都の直接補助を新設するなど、 賃貸オーナーにとってわかりやすく魅力的な補助制度になっています。詳しくは東京都のホームページをご確認ください。

この機会に「専用住宅」の登録をぜひ検討してみてはいかがでしょう。

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2023年9月6日時点のものです。

取材・文／藤谷スミカ 物件撮影／青木茂也

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