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[提供:市萬]

長く収益を上げるために必須な建物対策~修繕+時代に合わせた改良で価値アップ~

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公開日:2024年6月12日
更新日:2024年7月18日
長く収益を上げるために必須な建物対策~修繕+時代に合わせた改良で価値アップ~1

「修繕費の支出=ロス」と後ろ向きに考えがちなオーナーに、発想の転換を促しましょう。「改良」をプラスした前向きな投資は、将来にわたって潤沢なリターンをもたらします。3回連載の最終回となる今回は、長期活用による経営成功の重要なカギをお届けします。

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お話しいただいた方
長く収益を上げるために必須な建物対策~修繕+時代に合わせた改良で価値アップ~2

株式会社市萬 代表取締役 西島 昭さん

大学卒業後、株式会社リクルートに入社。1999年、不動産に関する問題解決に特化したコンサルティングを行う「株式会社市萬」を東京都世田谷区用賀に設立。金融機関と提携し、様々な不動産保有者の問題解決を行っている。

切り離せない「修繕+改良」

建物を長期活用して賃貸経営を成功に導くには、住宅としての性能を長く保ち、資産価値を維持する「修繕」が不可欠です。しかし、悪い部分を直す修繕だけでは新築した当時の姿に戻るだけで、現在の新築や築浅物件には対抗できません。なぜなら、時代により変化する入居者ニーズに応えられないからです。

これからさらに数十年の運用を目指すには、今の時代に合わせる「改良」をして、価値を上げていく必要があります。

長く収益を上げるために必須な建物対策~修繕+時代に合わせた改良で価値アップ~2

こういった話をすると、築古物件のオーナーからは、「修繕でさえ荷が重いのに、これ以上の費用負担はしたくない」といった声が寄せられます。リフォーム会社か1,000万円近いフルリノベーションの提案を受けることも珍しくないせいか、大きな抵抗感を持ってしまうようです。

しかし、心配はご無用。「改良=大がかりなリノベーション」ではありません。

改良のポイントは「デザイン/設備・機能/間取り」の3つ。実はデザインだけでも価値アップは可能ですし、設備更新も費用対効果を考えて選択すれば前向きな投資と考えられます。また、改良工事は、大規模修繕や原状回復とあわせて行えば効率的で、コストダウンにもつながります。

収益アップの効果は金額の多寡ではなく「センス&アイデア」がものを言います。低コストで集客効果が高い対策を提案してくれる事業者を選びましょう。

「改良」とは?

年数が経って劣化した建物・設備の悪いところを直して、新築時に近い状態まで戻すのが修繕。しかし、いくらがんばっても、修繕だけでは、現在競合する新築物件は越えられません。入居者の求めるレベルは徐々に高まります。時代の変化に合わせて性能と価値を上げるのが「改良」です。

長く収益を上げるために必須な建物対策~修繕+時代に合わせた改良で価値アップ~2
「改良」3つのポイント

デザイン
カラーリングと照明の2つで、大きく印象を変えられる。特に、内見時の第一印象を左右する共用部・エントランス周辺が重要。

設備・機能
人気ランキングの高い設備の中から、費用対効果の高いものをセレクト。テレビモニター付きインタホンや宅配ボックスは効果大。

間取り
築年が経過し、大きなリフォームが必要となった際などにあわせて、現在のライフスタイルにあった間取りへの変更を検討。

改良工事費の目安(一例)
長く収益を上げるために必須な建物対策~修繕+時代に合わせた改良で価値アップ~2

1976年築アパート<改良事例>

賃料7万5,000円から10万2,000円にアップ!

2DKから1LDKに間取り変更し、床を畳からフローリングへ。和室の梁や柱など元の部材を活かして木の温かみを出しつつ、天井に紺色のアクセント・カラーを施した“和モダン・デザイン”に。外観も、漆喰風の壁と面格子でレトロな雰囲気を醸し出しています。

新築にない唯一無二の価値を出し、築50年弱にもかかわらず家賃3割以上アップ!

長く収益を上げるために必須な建物対策~修繕+時代に合わせた改良で価値アップ~2

改良工事は未来への投資

長く収益を上げるために必須な建物対策~修繕+時代に合わせた改良で価値アップ~2

修繕や改良に対する出費をロスと考えがちなオーナーも少なくありません。もちろん、上記の事例のように家賃をアップできる場合もあれば、立地や市場動向によって難しい場合があるのも事実。

ただ、改良して魅力を高めれば、何もせずに家賃下落や空室増加で収益が減り続けることは防げます。そして、長期的に安定した収益を続けられる展望が開けるわけです。

つまり「修繕+改良」は単なるロスではなく、未来への長期的な視野に立った投資と言えるでしょう。発想の転換が大切です。

選択肢を余分に持とう!

長く収益を上げるために必須な建物対策~修繕+時代に合わせた改良で価値アップ~2

建物が古くなると「建て替え」か「売却か」の二者択一で迷い、ずるずると決断を先延ばしにしているオーナーは多いかもしれません。ですが、少し視野を広げて「建物の長期活用」というもう1つの選択肢があることに気づいてほしい。

そして、賃貸経営成功に向けて一歩踏み出すチャンスを逃さないようにしていきましょう。

賃貸経営成功の秘訣<最終回>まとめ

①修繕はマイナスをゼロに戻すもの。改良が伴わなければ、長期活用の道は開けない。

②出費はロスではなく投資、長い目で判断すべし。

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2024年6月12日時点のものです。

取材・文/木村 元紀

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