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【築古物件の空室対策】成功するリノベーションのポイントと成功実例

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【築古物件の空室対策】成功するリノベーションのポイントと成功実例1

資金に余裕があるなら、リノベーションをすることにより、築古でも家賃アップを目指す再生はできる。では、どのくらいの投資をすればいいのか。判断のキーワードは、「費用対効果の高いリノベーション」だ。

費用対効果や投資回収期間は目標に照らし柔軟に考えよう

リノベーションは、いくら金額を抑えても、収益が上がらなければムダな投資になる。目先の投資額の大小ではなく、得られる効果の高さ=「費用対効果」を見極めることが大切だ。具体的には、投資した資金以上のリターンが得られるか、初期投資を回収した上でプラスの収益が得られるか、である。

判断指標として、よく取り上げられるのが「投資回収期間」だ。ただ、「予算はこの程度で、何年での回収が望ましい」という明快な答えはない。例えば、「リノベ後の家賃2~3年分が予算の目安」という見方もあれば、「今後10年賃貸経営をするなら、半分の5年以内に回収を目指す」という発想もある。オーナーの運用計画や収益目標により、判断が分かれるわけだ。

築古物件の場合、長期入居で内装設備の劣化が激しく、貸せる状態にするための最低限の原状回復費用が100万円以上かかることも珍しくない。その場合、バリューアップの追加費用をベースに考えるほうが合理的だろう。

また、投資額を小出しにして短期間でリフォームを繰り返すか、一度に大きな投資をして10年、15年長持ちさせるか。どちらを選ぶかはオーナーの考え方次第だ。

最近では、手持ち資金が少なくてもリノベができるサービスも出ているので、活用を検討してもいいだろう。ただし、マーケットや、リノベ会社の実力とセンスによって、期待できる家賃アップ効果は変わる。そのため、いくら投資して何年で回収可能かを机上の計算だけで考えるのは禁物だ。

では、成功した築古リノベとは実際どのような内容なのか? 次から成功事例を見ていこう。

初期投資0円など、リノベ会社によっては予算が少なくても工事可能なサービスも!

サブリース付き初期投資0円

初期投資は不要、サブリースとセットの契約で保証賃料の一部から工事費を分割払いする仕組み。

設備リース契約

設備を買い取らず、月々リース料を支払う方式。メンテナンス料込みが一般的で、全額経費計上ができる。

定額パック制

内装設備一式、部屋数ごと、面積ごとに金額を固定した低額パッケージ料金制。「ワンルーム30万円」など、総額明示でわかりやすい。

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Case1|「古いボロ物件」を「ビンテージ物件」に。唯一無二のリノベ感を創出

神奈川県横浜市のマンションの一室。前入居者が約30年住んでいたため劣化が激しく、原状回復だけで200万円程度かかる見込みだった。前の家賃は6万円、同じマンションの同タイプの部屋で別会社がリノベをしたケースでは7.5万円、周辺の新築相場は9.8万円だった。これに対し、この物件のリノベ会社は約330万円の費用で、新築より1割ダウンに止まる8.8万円を実現。

「設備仕様を更新すれば、部分的に新築並みの印象は出ます。しかし、全体の築古感はぬぐえず、家賃アップにつながる付加価値は生まれません。他人と同じものを嫌い、唯一無二なものを求める、リノベ賃貸志向の市場がすでに確立されています。そんなユーザーに刺さるリノベ感をどう出すか。新築にないテイスト、デザインの統一感が重要です」(エイムズ株式会社代表取締役・板坂宜昭さん)

オーナーは、同じ建物の別室で行ったリノベの費用が高かった印象があり、「コスト縮小と家賃アップ」を希望。材料の仕入れ、下地処理の工夫により見えない部分でコストを抑えつつ、部屋全体のテイストを保ち、早期入居を達成した。

物件概要

【築古物件の空室対策】成功するリノベーションのポイントと成功実例2

所在地/神奈川県横浜市
築年/1971年
構造/RC造・5階建
所在階/2階
専有面積/35.52㎡

●リノベ総費用/328万5000円
●間取り変更/2K→1R
●家賃/6万円→8万8000円(管理費3000 円含む)へアップ
●入居状態/工事中から問い合わせ多数、工事完了後1カ月で入居者決定
●回収期間/約3年で投資資金回収予定

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Before

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After/和室の2Kから広々ワンルームに間取り変更。最新ニーズに応えつつ、壁をなくして工事面積を減らしコスト削減。壁面はリノベ感を演出する塗装仕上げ

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After/床はヤマグリの無垢材フローリングを使用。材料の直接買い付けと、社員大工の施工でコストダウン

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After/古びていたキッチンは、木造の造作キッチンと磁器タイル壁、天井の板張りなど、自然素材の統一感あるデザインに再生

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After

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After/元の在来浴室のスペースにユニットバスを組み込み、解体の手間と費用を節約

Case2|「写真映え」するポイントを取り入れ、SNSの活用で早期入居を実現

現地はJR山手線「目黒駅」から徒歩10分以内。立地の良さで集客できるためか、周辺にリノベーションで競合する物件は少なかった。同じマンション内に、やや広めの住戸が原状回復のみで16.5万円で募集していた。それでも入居は見込めるが、リノベ会社は周辺相場のマックス賃料を目指したリノベーションを提案。4万円近い家賃アップを実現した。

「家賃アップに直結する特長を出すことがポイントです。例えば広いリビングや対面キッチン、ウォークインクローゼットはユーザーに響きやすく、写真映えにもつながるプランです。10年先まで追加費用を抑えつつ、長期的に競争力を保てる物件にすることも大切です」(ハプティック株式会社リノベーション事業部・佐藤陽亮さん)

同社はリノベ・デザイナーズ物件専用サイト「goodroom」も運営。着工と同時に同一仕様の部屋写真を掲載し、募集を開始する。フェイスブックやインスタグラムなどのSNSフォロワー計28万人に「写真映え」する1カットで室内の魅力を伝えて、物件サイトへの流入を図ったこともあり、工事完了前に入居が決まった。

物件概要

【築古物件の空室対策】成功するリノベーションのポイントと成功実例2

所在地/東京都品川区
築年/1987年
構造/RC造・5階建
所在階/4階
専有面積/46㎡

●リノベ総費用/約47万円
●間取り変更/2DK→1SLDK
●家賃/15万円→18.8万円( 管理費6000円含む)へアップ
●入居状態/工事中から問い合わせ多数、工事完了前に入居者決定
●回収期間/約2年で投資資金回収予定

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After/2DKの和室を潰して、広いリビングのあるLDKに

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After/キッチンは壁付けタイプから、女性に人気の高い対面式キッチンに変更した

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After/床下配管と水回り設備も全て交換

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カーペット敷きだった洋室の床は、無垢材のフローリングに変更。管 理規約により高遮音性のLL40仕様

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押入・物入・クローゼットに分散していた洋室の収納を、2畳大のウォークインクローゼットに集約させた。

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リノベ・デザイナーズ物件専用サイトに掲載された同物件。一目で物件の魅力が伝わるように写真を工夫し、早期入居につなげた

Case3|兵庫県の築40年、入居ゼロの長屋をこだわり派向けDIY可で見事に再生

兵庫県宝塚市で、2012年当時築40年のメゾネットタイプの店舗付き住宅5戸が、丸ごと空き家になっていた。元々所有していた現オーナー・木本孝広さんの父親は売却を検討していたが、会社員だった木本さんはリノベによる再生を決意。しかし、郊外で駅からも遠く、「お金をかけてキレイにしても客は来ない。リノベなんて東京の話」と、長い付き合いの不動産会社や工務店からは反対されていた。それでも、木本さんは事業計画を独自に立案。

目標は「最低10年の運営を目指し、半分の5年で資金回収。利回り20%」。ターゲットは「自分らしい暮らしを大切にするこだわり派」。そしてコンセプトを「自然素材でシンプルな大空間を作り、DIY可」と設定した。専用ホームページを作り、コンセプトに共感した仲介会社がブログを発信。工事中から問い合わせが多く、想定通りの入居者ですぐに満室になった。利回りは目標の20%を達成。

「入居者とのコミュニティが生まれたのが楽しいです。今は専業大家をしつつ、個人不動産オーナー向けのコンサル会社を設立し、空き家再生をしています」(木本さん)

物件概要

【築古物件の空室対策】成功するリノベーションのポイントと成功実例2

所在地/兵庫県宝塚市
築年/1972年
構造/鉄骨造・2階建
専有面積/1戸約55㎡

●リノベ総費用/約2000万円
●間取り変更/店舗付き3DK×5戸→メゾネット2LDK×5戸
●家賃/5万円→6万3000円へアップ(ペット飼育の場合、さらに+6000円)
●入居状態/工事中に全室入居決定、現在も空室待ち多数
●回収期間/約5年で投資資金回収済み

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After/阪神淡路大震災でもびくともしなかった、重量鉄骨造の建物。味のある外壁タイルを活かしつつ、建物内外のスケルトン・リノベを行った

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After/元は1階が店舗で、2階は和室3間があったが、2階はフローリングの洋室2室に間取り変更。風呂と洗面所も2階に設置した

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After/1階にはアウトドア用品などを置ける多用途の土間、造作キッチン、紙クロスの壁など

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After/壁塗装や自作収納などはDIY可

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2019年9月4日時点のものです。

取材・文/木村 元紀 イラスト/加藤 愛里(asterisk-agency)

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