管理会社はサービス業!大切なのは“入居者ファースト”「長栄」長田社長インタビュー

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公開日:2019年10月16日
更新日:2020年10月5日
管理会社はサービス業!大切なのは“入居者ファースト”「長栄」長田社長インタビュー1

京都から管理業界を牽引する株式会社長栄。オーナーからは信頼を、そして入居者からは高い満足を獲得し、管理戸数2万戸超・年商80億までに育て上げた代表取締役の長田修氏に、その発展の源を聞いた。

管理会社はサービス業!大切なのは“入居者ファースト”「長栄」長田社長インタビュー2

株式会社長栄 代表取締役 長田 修 氏

1949年京都府生まれ。高校卒業後、松下電器勤務などを経て、1988年株式会社長栄を設立。

株式会社長栄

設立:1988年

従業員数:273名(2018年4月現在)

本社所在地:京都府京都市下京区

管理戸数:2万3800戸

賃貸は持ち家よりも魅力的と思わせたい!

来年創業40年。今や京都・滋賀・大阪で管理戸数2戸超の実績を誇り、昨年には名古屋にも進出。順調に事業を拡大しておられますが、管理事業の出発点は?

長田 私は京都・伏見の農家の長男で、両親が賃貸マンションを所有していました。管理は会社に任せていたものの、入居者とのトラブルが絶えなくて、これはあかんと。ならば自分でやってしまおうと始めたのがきっかけでした。

もともと、農業を継ぐ気だったのですが、徐々に農業で身を立てるのは難しい時代になってきて、商売を学ぼうと松下電器に入社。尊敬する松下幸之助の考え方を肌で感じたいと7年勤めました。その後3年ほど不動産会社で働いて独立。30歳の時です。

当時の管理業は、どんな状況でしたか?

長田 あまりいいとは言えませんでしたね(笑)。管理会社も少なく、入居者とのトラブルや家賃回収で困っているオーナーさんがたくさんおられました。地元の伏見や山科で、問題をひとつひとつ丁寧に解決して実績をあげ、京都市中心部へ拠点を移し、東海圏にも営業エリアを広げました。

入居率も高く、東海圏では100%を達成されています(※1)。

長田 弊社の「入居者ファースト」という姿勢が、入居者に受け入れていただけているのだと思います。

家賃は高いし、毎月払うもの。負担に感じる入居者も多いはずです。きっとその気持ちが、持ち家志向に向かわせてしまう。そうではなく、毎月家賃を払うけれど、持ち家以上に楽しい生活ができたら、「長栄の管理物件に住み続けよう」と思ってもらえる。その結果、入居者は長く住み続け、オーナーさんの安定経営に繋がります。

ですから、入居者を対象にしたイベントをたくさん実施しています。びわ湖大花火大会の招待や、長栄オリジナル宝くじなど入居者が喜んでくれることを続けています。

「入居者・オーナー・スタッフ」三者の満足度がないと意味がない

家賃回収率は99%(※2)、管理の質もオーナーから高評価ですね

長田 管理業はサービス業です。そしてサービス業で一番大事なのはスピード。弊社では京都・滋賀に管理センターを16カ所設置しています。約1000戸単位で1カ所、30分以内で行ける距離に作っており、何かあれば担当者が駆けつけられるようにしています。サービスというのは、これだけやれば喜ぶだろうではなく、喜んでくれるまでやらないとダメなんです。

約300人のスタッフに「入居者ファースト」の理念を浸透させるのは大変ではありませんか?

長田 さまざまなスタッフとコミュニケーションをとって、みんなを育てること。そして、仕事は辛いことが多いからこそ、少しでも楽しく仕事ができる環境を作ることが、私の役割だと思っています。

たとえば月に1回は、ホテルで朝礼を行います。全スタッフとモーニングを食べながら、私の思いを伝えています。他にも日頃の疲れを労うべく、社員旅行などを実施しています。

本当に長栄のスタッフは、管理業という仕事に励み、頑張ってくれています。高い入居率や家賃回収を実現できているのも、彼らのおかげ。入居者、オーナーさん、そして長栄のスタッフ。この三者の満足がなければ意味がありません。

今後の展望をお聞かせください。

長田 日本は少子高齢化で、大学が多い京都では、稼働率は下がっていく可能性が高いので、海外留学生に注目しています。すでに海外の大学と提携を進めています。さらに、10月には東京にも支店を開設する予定です。

私の夢は常に入居待ちがある入居率120%!「管理を頼むのなら、長栄に」。全てのオーナーさんにそう思ってもらえるまで、管理サービスの質を上げていくつもりです。

編集後記

冗談を交えエピソードをお話されたり、真剣な眼差しで管理業について語ってくださるなど多彩な表情を見せてくださいました。なかでも最も優しい笑顔になられたのは、奥様について語られたとき。できるだけ早く家に帰り、一緒に夕食を食べるそう。「子供たちも独立したし、一人はかわいそうやん」。その言葉に、愛情あふれる家庭人の姿が見えました。

 

※この記事内のデータ、数値などに関しては2019年10月16日時点の情報です。

※1・2…2019年7月25日取材時点

 

取材・文/瓜生 朋美(文と編集の杜) 撮影/二階堂 直敬

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