業界のプロが選び方のコツ教えます!良い管理会社の見分け方&管理会社の替え方

  • 管理、空室対策
  • 管理会社(入居者管理)

管理次第で収益に差が出るため、管理会社選びは「どんな賃貸住宅を建てるか」という問題に負けず劣らず重要だ。また、今の管理会社に疑問があるなら、「管理替え」という選択肢の検討も必要になる。管理会社の見分け方と替え方を、3人のプロに伺った。

株式会社市萬 代表取締役 西島 昭 さん

株式会社アートアベニュー 代表取締役 藤澤 雅義 さん

株式会社みまもルーム 代表取締役 渡辺 よしゆき さん

管理会社の実力はレポーティングと入居率で見る

良い管理会社とは、一言でいえば「多岐に渡る管理運営業務をきちんとこなしている会社」だ。当たり前のように見えて、実は、その条件に該当しないケースが意外に多いと業界のプロは口を揃える。

「手数料は相場の5%を請求しながら、中身が伴わない企業が多いです。大家さん目線で仕事をしている会社は非常に少ないのが実態です」と、みまもルームの渡辺さんは言う。

各業務が適切に行われているかは「レポーティングに表れる」とアートアベニューの藤澤さんは指摘する。

「形のないサービスだからこそ、きちんと『見える化』して報告することが望ましいです。家賃支払い明細書はもちろんのこと、募集状況や入居者対応、物件巡回時の状況など、オーナー様が知りたい情報を伝えるべきです。それらのレポートは管理業務の遂行の中で改善されていくため、管理運営能力を計るバロメーターとも言えます。レポートが定期的に出され、履歴として残っていることが大切。提案があればなお結構です」(藤澤さん)

個々の業務内容をしっかり確認できれば、それに越したことはない。だが、もっと素早く判断したい場合は、よりシンプルな指標として「管理物件の平均入居率が重要」だと市萬の西島さんは語る。

「オーナー様が一番悩んでいる問題は、部屋を埋めて満室にすることに尽きるでしょう。サービス品質の良し悪しも、最終的には入居率に反映されます。入居率は、90%以上が合格ラインです」(西島さん)

実例! こんな管理会社は避けた方がいい

1)メールの返事が1 週間後?レスポンスが遅すぎる!

入居者から退去通知が来たことをすぐに大家に知らせず、募集も始めない。メールで問い合わせても、返事が来るのが1週間後。

2)消毒料や浄水器など、入居者にむやみに物品販売

オーナーに黙って、入居者からカギ交換費用を取ったり、クリーニング済みなのに消毒料を請求したりする。あげくに浄水器まで!

3)協力業者にバックマージン要求、オーナーのコスト増

リフォームや設備点検の協力業者に、過度な接待やバックマージンを要求。結果的にオーナーへの請求に転嫁され負担が増える。

4)物件情報を囲い込みし、自社仲介店舗を優先

入居者募集のために広く情報を開示せず、自社仲介店や系列業者で仲介手数料を取ろうとする。その結果、空室期間が伸びる。

空室対策と退去防止の提案力が今後は重要

基本業務の良し悪しもさることながら、これからの管理会社には、オーナーの収益性を高め、リスクを回避する提案力も求められる。

例えば、藤澤さんはこう話す。

「『家賃の値下げ』以外の空室対策の提案があるかどうか。投資分析を踏まえたリフォーム提案を、論理的に説明できるか。また、ウェブ上で入居希望者に対し、物件の魅力を戦略的に訴求できているか、などが重要です」

特に、築年数の古い物件の空室対策で具体的な実績を上げているかを調べれば、管理会社の実力がわかるだろう。また、設備が故障する前に先廻りして修理や交換をすることで、入居者の満足度を高めて退去防止を図ることもできる。こうしたテナントリテンションの提案力も大切だと西島さんは語る。

大手か地元企業かどちらを選ぶべき?

管理受託戸数が10万戸を超えるような大手管理会社に任せるべきか、それとも地域密着型の管理会社に依頼すべきか、迷うオーナーも少なくない。

西島さんは大手と地元業者の違いをこう分析する。

「地場に根差した活動をしている優良な管理会社があればベスト。きめ細かい対応が期待できます。ただし、人材力や管理システムの点では大手に劣るため、担当者の力量次第でしょう。大手は“冷たい管理”とも言われます。組織がタテ割で担当業務以外のことはわからないため、連絡がたらい回しになりやすい。ただ、各業務スキルは教育研修で訓練されているため、無難ではあります」

管理会社を替えたい時のダンドリは?

すでに委託している管理会社の対応に満足できない、改善の兆しがない場合は、思い切って「管理替え」に踏み切るのがおすすめ。複数の管理会社に直接当たって相見積りを取るときは、金額の安さだけで決めないほうが賢明だ。

「業務内容に応じた適正な金額設定かどうかをチェックします。管理手数料の値引きを求めるより、提示金額のままでプラスアルファの特典を付けてほしいと依頼した方が、相手のモチベーションも高まるものです」(渡辺さん)

依頼先が決定した後は、新しい管理会社の方で手続きを進めてもらえるのが一般的だ。

「管理委託契約を結んでから管理開始まで、3カ月みてもらえれば移行できます。その間にオーナーが行うのは、旧管理会社への連絡くらいです」(西島さん)

管理替えは、実はそれほど難しくない。今の管理会社に不満があるなら、検討してみてはいかがだろう。

管理会社を替える手順

  • 1)検討スタート

    依頼先候補に面談して、管理内容と金額を確認。必要に応じて複数の会社から相見積りを取って比較する。

  • 2)新会社と契約

    管理委託契約。事前に書面をもらい、業務内容の詳細を確認しておく。解約条項の確認も忘れずに。

  • 3)現在の管理会社に解約を伝える

    オーナーから現委託先の会社に解約を通知。今後の運営方針を決めたら、後の手続きは新管理会社が進めてくれる。

  • 4)入居者に通知する

    オーナーと新管理会社の連名で「管理会社と家賃振り込み先変更の通知」を入居者に出す。新たな入居者募集準備を開始。

  • 5)新しい管理会社で管理スタート

    スムーズにいけば、変更通知から管理開始まで1カ月程度。最初の相談から3カ月程度で移行完了。

サブリースの仕組みと注意点

オーナーから1棟丸ごと借り上げて、一定の家賃支払いを保証するサブリース。10 ~30 年の長期契約が増えているが、2年に一度、保証家賃が改定されるのが一般的だ。

管理会社によって、契約後の免責期間(オーナーに家賃を払わない月数)が1~4カ月と幅が広い。またサブリース契約を取るために、初期の保証家賃を高めに設定するケースもあることに注意。家賃相場を調べ、契約約款をよく読むことが大切だ。

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2015年9月7日時点のものです。

取材・文/木村元紀 イラスト/黒崎 玄

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