賃貸経営の疑問に答えます!一棟マンションの大規模修繕Q&A

リフォーム/塗装
  • 大規模修繕(外壁・屋根)
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公開日:2019年12月11日
更新日:2019年12月23日
賃貸経営の疑問に答えます!一棟マンションの大規模修繕Q&A1

物件の価値を維持して安定経営を続けるには、計画的な大規模修繕が不可欠。とは言え、施工時期や会社の選び方などに不安を感じている方も多いのでは?オーナーのよくあるお悩みをQ&Aでご紹介します。

Q.いつ頃、どんな修繕を行えばいいですか? また、どの程度の費用がかかるのでしょうか?

A.築何年目かにより、修繕内容や予算は変わってきます。新築時から、将来を見据えて計画的に資金を積み立てていくことが大切です。

建物の工法・資材、立地等にもよりますが、一般的に修繕を行う目安は以下の通りです。

屋上・屋根/塗装・補修11~15年目、防水21~25年目

外壁/塗装11~18年目、タイル張り補修11~18年目

階段・廊下/鉄部塗装4~10年目、塗装・防水11~18年目

大規模修繕の費用は、築30年までの合計金額の場合、RC造20戸のマンションでは約225万円/戸(下記参照)、10戸のマンションでは約177万円/戸が目安とされます。大規模修繕は一度だけ実施して終わりではありません。特に足場の必要な屋根や外壁改修では金額が膨らみます。次の修繕に備えて、毎月の家賃からしっかりと資金を積み立てておきましょう。

積み立て資金の目安

賃貸経営の疑問に答えます!一棟マンションの大規模修繕Q&A2

出典:「賃貸住宅版 長期修繕計画案作成マニュアル(改訂版)」 (公益社団法人日本賃貸住宅管理協会)

RC造20戸(1LDK~2DK)の修繕時期・費用のイメージ

賃貸経営の疑問に答えます!一棟マンションの大規模修繕Q&A2

出典:「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」( 国土交通省)

Q.築20年ですが、外観はきれいで、劣化していないように見えます。大規模修繕は必ずやらなくてはいけませんか?

A.資産価値を維持し続けるには、定期修繕は必須です。放置すれば競争力低下、入居率・家賃の下落を招きます。

定期的な大規模修繕をしないと、一見きれいでも見えない部分で劣化が進み、その結果、競争力が落ちて入居率や家賃が下落していきます。そして、いったん収益が悪化すると、修繕が待ったなしの時に費用を確保できず、さらに老朽化が進むという負のスパイラルに陥ります。

雨漏りなどが発生すると修繕費も高くなりがちで、入居者の退去にもつながるので、計画的なメンテナンスをおすすめします。

定期的に修繕しないと経営は悪循環に陥る!

賃貸経営の疑問に答えます!一棟マンションの大規模修繕Q&A2

Q.積み立て資金が足りなくて、大規模修繕ができません。どうにかなりませんか?

A.計画的に資金を貯めるのがベストですが、積立額が不足するなら、金融機関等から融資を受けるという選択肢もあります。

長期修繕計画を立てれば高額な修繕費が必要になる時期がわかりますから、積立型定期預金や金銭信託、小規模企業共済など、計画に適した方法で前もって資金を積み立てることが大切です。また、法人の場合は、法人専用の生命保険を活用して費用を貯める方法もあります。

積立額が不足しそうなら、早めに金融機関に融資の相談をしましょう。ちなみに弊誌の読者アンケート(2017年)では、資金調達法の約27%が借入でした。

修繕資金を確保するための選択肢

賃貸経営の疑問に答えます!一棟マンションの大規模修繕Q&A2

出典:「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック(」 国土交通省)

Q.大規模修繕の会社の選び方がわかりません。どこに気を付けて検討すればいいですか?

A.施工実績やアフターサービス、見積書の記載内容などから、会社の信頼性や誠実さを見極めることができます。

まずは建設業免許の有無の確認を。500万円以上の工事を請け負うには免許が必要です。また、会社の規模や知名度より施工実績と評判を重視しましょう。入居者への配慮やトラブル対応の体制、そして施工後の定期点検や保証年数、不具合に対する工事保証等の確認も忘れずに。

見積書では、「数量×単価」を要チェック。誠実な施工会社は、「一式」表記ではなく、工事項目ごとに記載がされています。

会社の信頼性を見極める主なポイント

●建設業免許はあるか?
●業界団体に加盟しているか?
●社歴や大規模修繕の実績は?
●入居者への配慮は充分か?
●工事完了報告書は出るか?
●アフターサービスの内容は?

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2019年12月11日時点のものです。

文/菱沼 晶

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