安定したマンション経営を!満室経営のための差別化とリノベーション
収益の最大化を考えるときに選択肢に入るのがマンション経営。賃貸経営の中でも大きな収益が見込めます。しかし、大きなお金が動く分、初期投資の大きさに不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
ここでは、マンション経営の特徴や入居者に人気の差別化マンション事例、築古マンションのリノベーション事例を紹介します。
マンション経営をするなら賃貸経営の基本から
マンションは土地活用の選択肢のひとつ
マンション経営はアパート経営と並ぶ人気の土地活用方法のひとつです。初期費用がある程度必要ですが、室数が多く空室リスクを分散しやすいのが特徴です。また、耐用年数が長いため長期的な資産として活用が期待できます。
他にもマンションの一部屋だけを所有して賃貸する、いわゆるワンルームマンション投資もあります。区分所有という形態であれば一棟立てるほどの資金は必要なく、少ない資金で始められることが特徴です。
マンション経営をするのかどうかは、それぞれの土地活用の特徴やご自身の目的に合わせて選択することが重要です。ここではマンション一棟を所有する場合について紹介していきます。
マンション経営の基本を知る
安定したマンション経営をするには基本的な知識が不可欠です。市場を把握し、市場にあった物件を用意して、常に満室が続くような経営を目指しましょう。
賃貸経営を始める流れは、以下の通りです。
- ・人口の変化や賃貸物件の供給量など、賃貸市場を知る
- ・経営の目的を明確にする
- ・建築予定地の市場調査(マーケティング)
- ・建築会社選び
- ・資金計画、調達
- ・入居者募集や入金管理、トラブル対応など(入居者管理)
- ・建物の修繕やメンテナンス(建物管理)
マンション経営もアパート経営も全体的な流れは変わりません。より詳しい内容を知りたい方は下のリンクから内容をチェックしてください。
マンション経営の特徴|アパート経営と何が違う?
では、マンション経営とアパート経営は何が違うのでしょうか。ここでは、それぞれの違いについて紹介します。
構造
マンションの特徴として、鉄筋コンクリート造など建物の強度が高い構造をしていることが挙げられます。アパートは木造や鉄骨造などが多いです。構造の違いによって耐久性や耐震性、耐火性に違いが出てきます。
耐用年数
建物の構造の違いによって耐用年数も変わります。主な構造の耐用年数は以下の通りです。
- ・木造:22年
- ・軽量鉄骨(厚さ3mm以下):19年
- ・軽量鉄骨(厚さ3mm~4mm):27年
- ・重量鉄骨造:34年
- ・鉄筋コンクリート造:47年
鉄筋コンクリート造と木造で比べると25年もの差があります。建物性能の劣化スピードに違いがあり、同じ築年数でも鉄筋コンクリート造の方が劣化を感じにくく、入居者が入りやすいです。
また、耐用年数の違いはローンの返済期間にも影響を与えます。ローンを組む場合、返済期間は耐用年数までに設定することが多いです。鉄筋コンクリート造のマンションは、建物の劣化が遅くローンの返済期間も長いため、長期的な経営に向いています。
さらに、耐用年数が長いことで、売却する必要が出たときに売却がしやすいのも特徴です。耐用年数が長ければ売却した際に購入者がローンを組みやすくなります。資産の組み替えや相続に向けて物件を整理する場合など、アパートよりも柔軟な対応が可能です。
室数
アパートよりも高層化ができるため、室数を多く作ることができます。室数が多いことで空室による影響を軽減することが可能です。
例えば、4室のアパートで1室空室が出れば賃料収入は25%の減少になります。一方、20室あるマンションであれば、1室が空室になっても賃料収入の減少は5%です。
もちろん、室数が多ければ多くの入居者を集める必要があるため、多くの入居者が見込めるエリアかどうかを事前にリサーチしておく必要はあります。
初期費用
構造の違いや室数の違いでマンションに多くのメリットがありますが、注意すべき点もあります。それが初期費用です。建物の構造がしっかりとしたものになり規模が大きくなるため、建築費用がアパートに比べて高くなります。木造アパートに比べれば、利回りも少し低くなる傾向です。
マンション経営を成功させる!差別化マンション事例
マンション建築をするのは、駅近などで多くの入居者が望める場所が確保できているケースが多いでしょう。しかし、入居者の需要がある地域では他の物件も多く建っている、または今後多くの物件が建つ可能性が高いです。マンションの特徴でも説明したように、マンションは耐用年数が長くアパートよりも長期的な視点で経営を考える必要があります。そのため、建築後から満室を目指すのはもちろん、築年数が経っても満室経営が続けられるような差別化ポイントを考えることが重要です。
立地からマンションのコンセプトやターゲットを考えて、競合の少ないマンションや需要の多いマンションを建てる、その時々のトレンドに合わせる前提でリノベーションがしやすい工法にするなどといった工夫をしておきましょう。ここでは差別化を図ったマンションの事例を紹介します。
また、入居率のアップでは設備の追加が効果的な場合もあります。設備は後から追加できるものが多いです。人気のものはできるだけ建築時に取り入れるほか、既存のマンションで競争力が弱まっている場合は積極的に取り入れてみるといいでしょう。近年、宅配ボックスや無料インターネットは人気の設備です。
災害に強く、入居者メリット多数|オール電化マンション
オール電化は災害に強く、資産価値が維持しやすいというメリットがあります。2018年にあった大阪北部地震では、ガスの復旧が1週間かかったの対して電気が約3時間で復旧したため、調理も給湯も通常通り行えたようです。給湯器にはお湯が溜まっているので、生活用水としての利用もできます。
また、電気代の安い夜間にお湯を沸かすために光熱費を削減できる可能性があります。コンロ周りが汚れにくく、掃除も簡単。調理時の水蒸気の発生がないため、結露やカビの発生も抑えます。
大規模地震や震災で迅速な復旧を実現。資産価値も維持できるオール電化マンション
ペット可ではない! ペットのことを考え抜いたペット共生マンション
空室が目立ってきたためにペット可にする物件はあります。しかし、ペット共生マンションは、ペットと暮らすためにペットのことを最大限に考えて建てられたマンションです。ペットが遊ぶためのスペースや散歩から帰ったときのケアをするスペースなど、ペットのための設備が備えられています。
設備だけではなく、トラブルなく過ごせるようにペット共生ならではの規約も。入居者全員が細かい規約を把握して守ることでトラブルのない快適な生活が実現できます。
猫を飼っている人は賃貸住まいの割合が20%というデータもあり、賃貸でのペット飼育ニーズは多くあります。
オーナーズ・スタイルで過去に取り上げたペット共生マンション、アパートも参考にしてみてください。
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24時間楽器演奏ができる防音マンション
自宅で楽器演奏をしたいというニーズがあります。供給がまだまだ少なく、楽器演奏ができる防音マンションは満室が続いているという話も。楽器愛好家だけではなくミュージシャンや音大生など、楽器の練習時間を多く確保したい方に人気です。
音大の近くや音楽会社の近隣など、立地を選ぶことでコンセプトをより活かせる可能性があります。
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間取り変更がしやすいマンション
賃貸需要の多いマンションを建築したものの、時代の変化により需要が変化したということはあります。長期的な計画が必要なマンション経営だからこそ、賃貸需要の変化には特に注意が必要です。しかし、賃貸需要を完璧に予測することは困難。そこで、将来の賃貸需要の変化に合わせてリノベーションしやすい構造のマンションを建築して、柔軟性を持たせることもリスク対策になります。
相続した・中古物件を購入したらリノベーションの検討も
マンション経営をする方の中には、物件を相続した方もいるのではないでしょうか。また、中古物件を購入する方もいると思います。新築でない場合には、状況に合わせてリノベーションすることで物件の競争力を高めることが可能です。
エントランスのリノベーション成功事例
マンションのエントランスや外観は、居室内と同様に内見時にチェックされるポイントです。特に女性は外観のオシャレさにも気を配るため、エントランスをリノベーションしただけで空室が埋まったという事例もあります。エントランスは、少ない費用で物件全体の競争力があげられるリノベーションです。
マンションのエントランスの印象を良くしたい。どんな方法がある?
築古ワンルームのリノベーション事例
ユニットバスのワンルーム物件は供給量が多く、築年数が経つと入居者の確保に困るケースがよくあります。そこで提案されるのがユニットバスのリノベーション。しかし、近年はユニットバスそのままでも需要があります。低所得若年層の増加から、払える家賃の上限が低くユニットバスでもいいという入居者が増加中。また、ミニマリストなど物を持たない若者が増えており、コンパクトな部屋の需要もあります。
築30年、16㎡で3点ユニット…築古・狭小なワンルーム賃貸の空室対策はどうする?
デザインリノベで競争力をあげるワンルームのリノベーション事例
間取り変更まではできないが競争力をあげたい、物件価値を上げて家賃アップを図りたいときに検討したいのがデザインリノベーションです。間取りの変更なしでもガラッと印象が変わり、オシャレな部屋に変身させることができます。
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ユニットバスを低コストでリノベーション
それでもユニットバスがあることで入居者が敬遠して空室が続いているという賃貸オーナーもいるかもしれません。どうしてもユニットバスをリノベーションしたい。そんなオーナーには低コストでできるリノベーションもあります。間仕切りをなくす、浴槽をなくしてシャワー室になど、コストを抑える方法も選択肢のひとつです。
仕切りを入れる?そのまま?3点ユニットバスの効果的なリノベーションの仕方とは?
物件全体をリノベーション! 賃貸住宅以外の用途にも
思い切って物件全体を大幅にリノベーションしたい!そんなときには再度マーケティングを行って、立地やサイズからターゲットを明確にすることが重要です。施工会社によっては、賃貸住宅以外の選択肢からも最適な提案をしてくれるケースもあります。
マンション経営は長期的な視点で準備を
マンションは初期費用が高く長期に資産価値が維持できるため、長期的な視点が欠かせません。大規模修繕にも多額の費用がかかるため、収支シュミレーションと事前の準備をしっかりしておくことが重要です。
また、耐用年数の長さに合わせて、築年数が経過した時点でも競争力を失わないような対策をしておくことも忘れてはいけません。アパート経営よりも賃貸オーナーの手腕が発揮されるため、賃貸経営の基本についても改めて見直してみてはいかがでしょうか。