空室率20%超の秋田でも「満室経営」を維持するソプラノ大家さんの秘訣とは

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菅原 久美子(すがわらくみこ)氏/秋田市を中心に6棟34室のアパートを所有。「秋田の大家さんラボ」代表。ハピネス不動産、㈱スタジオくみこ代表。東京二期会準会員。ソプラノ歌手。ミス・ユニバース・ジャパン秋田大会トレーナー。

2018年10月13日に開催された「秋の賃貸経営+相続対策フェスタ」で、ソプラノ大家さんとして有名な菅原久美子氏が初講演。空室率20%超の秋田市で驚異の満室経営を続ける秘訣とは?講演録をダイジェストでお届けする。

長く住んでもらい満室を維持する秘策

私の本業はソプラノ歌手です。歌を続けるために不動産投資を始めました。自宅のスタジオで子供たちに歌を教えたり、社員研修やミス・ユニバースのトレーナーをしながら、秋田市を中心に6棟34室のアパートを経営しています。

秋田市は人口減少率や高齢化率が高く、賃貸経営が極めて難しいと言われるエリアですが、私の物件はほぼ満室です。それにはちょっとした秘訣がありますので、長く満室を維持するために私が行っている裏技をお伝えしましょう。

ひとつはダイレクトメールの活用です。私は空室が増えたときに、東京に本社があって秋田に支店があり、転勤者がいるような企業に営業のお手紙を書くことにしています。「私はこの物件の大家で、現在部屋が空いています。ご連絡いただければ、いろんな要望にもお応えできます」といった内容を書いて送るのです。

宛名を人事課や総務課のご担当者様とするのがポイント。先日6室の退去が出たときに100社にお手紙を送ったところ、1カ月以内に全室が埋まりましたので、効果は高いと思います。

また、人気設備ランキングをチェックして、無料インターネットなど、必要だと思った設備を導入しています。ご入居者にとても喜ばれますし、物件の競争力も高まります。

ご入居者に長く住んでもらうために、定期的なプレゼントも欠かしません。たとえば近所の洋食屋さんのディナー券、冬に窓からの冷気を遮断する断熱シート、大規模修繕の際は大手スーパーのギフトカードというように、ことあるごとにちょっとしたプレゼントをしています。

また、契約更新をしてくださったご入居者には、感謝を込めて水まわりのお掃除サービスを提供しています。キッチン・トイレ・お風呂のクリーニングから、ご入居者にひとつを選んでもらい、お掃除会社にはまとめて発注することで、1カ所5000円でお願いしています。

ご入居者が負担するプロパンガスの料金が高いことも長く住んでもらえない理由になります。一般社団法人プロパンガス料金消費者協会のサイトなどで料金をチェックし、高いようなら契約会社に交渉して値下げしましょう。

また外壁・屋根の修繕時期は約10〜15年です。思い切った大規模修繕で物件力を高めることができます。私は約880万円かけて3物件の大規模修繕を実施しました。もし管理会社が建設業も営んでいるなら、ぜひ工事の発注を。確実に大切な大家さんになると思います。

満室にするためのレシピ

  • 企業へのDMで入居付け
  • 人気の設備を導入
  • テーマを決めてリフォーム
  • ご入居者へプレゼント(入居中、再契約時)
  • プロパンガス料金もチェック
  • 職人さんを大切に
  • 大規模修繕で物件力アップ

リフォームや清掃で物件のパワーを上げる

私は自分でリフォームも行っています。そのポイントもご紹介しましょう。初心者におすすめなのは「塗る」「貼る」「取り付ける」です。室内の木部の水染みは、染み抜きをしなくても濃い目のカラーニスで塗ると綺麗に仕上がります。

外階段など鉄部の塗装は、多少高くてもサビの上から直接塗れるペンキを使うとラクです。

コストパフォーマンスが高いのが「貼る」で、特に生のり付きクロスは貼りやすく、いろんなデザインがあるのでおすすめです。大柄のクロスをいきなり部屋に貼るのが不安な方は、まずクローゼットの内部に貼って、いいなと思ったら大きなスペースに貼ってみてください。

また、本棚や小物掛け、鏡や照明などを安価なインテリアショップで調達して取り付ければ、お洒落度がぐっと高まります。内見時に驚きがあり、印象に残るお部屋を演出しましょう。

私がハウスクリーニング講座で学び、自分で実践した経験から得たお掃除のコツもお伝えします。

窓や鏡はマイクロファイバークロスで拭いた後、エタノールスプレーをかけてキッチンペーパーでこするだけで輝きが変わります。

また、床のワックス掛けは液を入れたドレッシングボトルを手に、ワックスシートを付けたお掃除ワイパーで拭いていくだけ。2回ほどでピカピカになります。

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管理会社と信頼関係を築くことを大切に

高い入居率をキープするには、ひとりで考えるより、管理会社と強力タッグを組むことが大切です。

私は管理会社と年に2回「本気の作戦会議」を開催しています。ご入居者に早期退去やお友達紹介を促すキャッシュバック施策、入居希望者さんへのフリーレント企画などを打ち合わせます。管理会社への連絡は、担当者や上司の方など関係者全員に共有メールを送ります。情報を密に共有することが大切です。

また、店長さんに「3カ月フリーレント」や「半年間家賃値引き」などの権限を与えています。入居希望者さんとの交渉を素早く進めてもらえますし、煩わしいやり取りがなく、私もラクなのです。

他にも管理会社を探している大家さんを紹介したり、カフェのドリンクチケットなどを差し上げたり、イベントに参加したりと信頼関係を築くようにしています。私が目指すのは「一緒に仕事がしたい」「ぜひ成功してほしい」と思ってもらえる大家さんです。

安定経営でいちばん大切なのは、住んでいただくご入居者はもちろん、管理会社や関連会社など物件につながる方々の全てに感謝すること。その気持ちが伝わることで、物件は輝いてくれると思います。

管理会社と強力タッグを

  • 年に2回、本気の作戦会議をしよう
  • 共有メールで連絡を密に取ろう
  • 店長さんに権限を与えよう
  • 紹介されやすい物件にしよう
  • 管理会社さんに情報提供をしよう
  • お仕事を紹介しよう
  • 良いことがあったら差し入れをしよう
  • イベントなどに積極的に参加しよう

※この記事内のデータ、数値などに関しては2018年12月12日時点の情報です。

※本記事は2018年10月13日開催の「賃貸経営+相続対策フェスタ」にて行われたセミナーをもとに構成・執筆したものです。

取材・文/菱沼 晶

スムスム君

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