空室率20%超の秋田でも「満室経営」を維持するソプラノ大家さんの秘訣とは
リフォームや清掃で物件のパワーを上げる
私は自分でリフォームも行っています。そのポイントもご紹介しましょう。初心者におすすめなのは「塗る」「貼る」「取り付ける」です。室内の木部の水染みは、染み抜きをしなくても濃い目のカラーニスで塗ると綺麗に仕上がります。
外階段など鉄部の塗装は、多少高くてもサビの上から直接塗れるペンキを使うとラクです。
コストパフォーマンスが高いのが「貼る」で、特に生のり付きクロスは貼りやすく、いろんなデザインがあるのでおすすめです。大柄のクロスをいきなり部屋に貼るのが不安な方は、まずクローゼットの内部に貼って、いいなと思ったら大きなスペースに貼ってみてください。
また、本棚や小物掛け、鏡や照明などを安価なインテリアショップで調達して取り付ければ、お洒落度がぐっと高まります。内見時に驚きがあり、印象に残るお部屋を演出しましょう。
私がハウスクリーニング講座で学び、自分で実践した経験から得たお掃除のコツもお伝えします。
窓や鏡はマイクロファイバークロスで拭いた後、エタノールスプレーをかけてキッチンペーパーでこするだけで輝きが変わります。
また、床のワックス掛けは液を入れたドレッシングボトルを手に、ワックスシートを付けたお掃除ワイパーで拭いていくだけ。2回ほどでピカピカになります。
管理会社と信頼関係を築くことを大切に
高い入居率をキープするには、ひとりで考えるより、管理会社と強力タッグを組むことが大切です。
私は管理会社と年に2回「本気の作戦会議」を開催しています。ご入居者に早期退去やお友達紹介を促すキャッシュバック施策、入居希望者さんへのフリーレント企画などを打ち合わせます。管理会社への連絡は、担当者や上司の方など関係者全員に共有メールを送ります。情報を密に共有することが大切です。
また、店長さんに「3カ月フリーレント」や「半年間家賃値引き」などの権限を与えています。入居希望者さんとの交渉を素早く進めてもらえますし、煩わしいやり取りがなく、私もラクなのです。
他にも管理会社を探している大家さんを紹介したり、カフェのドリンクチケットなどを差し上げたり、イベントに参加したりと信頼関係を築くようにしています。私が目指すのは「一緒に仕事がしたい」「ぜひ成功してほしい」と思ってもらえる大家さんです。
安定経営でいちばん大切なのは、住んでいただくご入居者はもちろん、管理会社や関連会社など物件につながる方々の全てに感謝すること。その気持ちが伝わることで、物件は輝いてくれると思います。
管理会社と強力タッグを
- 年に2回、本気の作戦会議をしよう
- 共有メールで連絡を密に取ろう
- 店長さんに権限を与えよう
- 紹介されやすい物件にしよう
- 管理会社さんに情報提供をしよう
- お仕事を紹介しよう
- 良いことがあったら差し入れをしよう
- イベントなどに積極的に参加しよう
※この記事内のデータ、数値などに関しては2018年12月12日時点の情報です。
※本記事は2018年10月13日開催の「賃貸経営+相続対策フェスタ」にて行われたセミナーをもとに構成・執筆したものです。
取材・文/菱沼 晶