土壌汚染地は80%控除「地中に瑕疵のある土地」の落とし穴をフジ相続税理士法人/フジ総合鑑定が解説!

  • 相続/節税/保険
  • 相続コンサルティング

お父様が生前に事業を営んでいた土地を相続したT様。T様から相続税還付のご依頼を受け調査を進めていくと、その土地に土壌汚染があることが判明しました。今回は相続税における土壌汚染地の評価を見直して、200万円が還付になった事例をご紹介します。

当初の評価は減額補正なし

T様が相続した土地(以降、対象土地)は大阪府内の中小工場地区にあり、地積が550平米、路線価6万円/平米の道路に接していました(図1参照)。対象土地は、T様のお父様が自身の事業のために廃油のドラム缶置き場として使用していた土地です。

T様には家業を継ぐ意思がなかったことから、お父様は事業をたたむ準備を進めており、対象土地の売却も検討していました。しかしながら売却は実現することなくお亡くなりになり、T様は1500万円の相続税を納めました。

T様との面談でお話を伺うと、次のことが判明しました。対象土地はもともと畑だったところに盛土を搬入して整地した土地であり、生前に売却を検討していた際に、盛土部分に油や廃棄物による土壌汚染があることがわかった、ということでした。

当初の評価は図1のとおり、路線価に地積をかけるのみで減額補正は一切行っていません。土壌汚染のある土地に対して、この3300万円という評価額は果たして適正と言えるのでしょうか?

浄化・改善費用の80%相当額を控除

土壌汚染対策法に基づき、土壌汚染による健康被害のおそれがあるときには、土地所有者は汚染物質の除去や封じ込めなどの措置をとることが求められます。その際の浄化・改善費用は原則、土地所有者が負担します。また、このような措置を行わなければ売却することは困難であり、仮に売却できたとしても、その価額は土壌汚染がない場合の価額を大幅に下回ることとなります。

土壌汚染のある土地の評価方法について財産評価基本通達に定めはなく、国税庁は平成16年に、その考え方を「資産評価企画官情報」の中で示しています。

それによると、土壌汚染地の評価では、土壌汚染がないものとした場合の評価額から浄化・改善費用の80%相当額を控除することができるとされています。

80%相当額を控除するのは、土壌汚染がないものとした場合の土地評価額が地価公示価格の80%水準額であることから、浄化・改善費用についても同水準とするのが適当とする考え方によります。

なお、この控除を適用できるのは、課税時期において土壌汚染が判明している土地であり、土壌汚染の可能性があるなど潜在的な段階では適用できません。対象土地の場合、お父様は生前に土壌汚染の調査と浄化・改善費用の見積りを行っていたことから、私たちは適用可能と判断し、評価し直すことにしました。

その結果、見直し後の評価額は浄化・改善費用の80%である1200万円を控除して2100万円になりました(図2参照)。これらの内容を意見書にまとめて税務署に提出したところ、減額が認められ、T様には200万円の相続税が還付されました。

相続税の土地評価は専門家に相談を

土地の下に存在する瑕疵(欠陥)をどのように評価に反映させるかについて、相続税土地評価の通達では明確な規定がありません。土壌汚染だけでなく、某学園でみられたようなガラや、埋蔵文化財などが地中にある土地も同様です。

これらの瑕疵はその土地の価格に大きな影響を及ぼしますが、その影響度合いを測ることは困難です。どのように、どの程度補正等をかければいいのか、非常に悩ましいため、簡便性・画一性を重視した評価手法ではこれを織り込みきれないことがあります。

相続税の土地評価は専門性が高く豊富な経験を必要とする作業です。相続税を納めて5年以内の方は是非フジ総合グループのセカンドオピニオンサービスをお試しください。

相続税申告もお任せください!

相続が発生して、これから申告をする方もお任せください。4,300件超の実績による土地評価で、相続税納税額を適正かつ最下限にいたします。

不動産鑑定士 住江 悠

株式会社フジ総合鑑定大阪事務所所長。


税理士 糟谷 和彦

フジ相続税理士法人社員税理士。


※ この記事内のデータ、数値などに関しては2019年7月9日時点の情報です。

資料請求をするとこんな資料がもらえます

納税後でもできる節税対策を漫画でご紹介。「10人に7人が納め過ぎ」という相続税の実態とは?


スムスム君

記事をシェアしてみよう!


関連するセミナー・イベント