たった3つのポイントを意識した対策でお金をかけずに空室を埋める!【築古アパート・マンション、戸建て賃貸】
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築古物件の空室対策というと、多額の出費を伴うと思いがち。しかし、必ずしもコストをかけなくても、空室を埋めることは可能です。今回は、大きく3つのポイントに分けて対策をまとめました。頭を切り替えて、新たなサービスを採り入れるだけで改善できる対策があります。すぐにできることから始めてみてください。
お金を掛けない空室対策①|受け入れの幅を広げる
近年増えている入居者層を柔軟に受け入れよう
年々空き家が増え、賃貸の空室率は上がっている。賃貸市場全体として見れば、入居者が有利な「借り手市場」のはず。しかし、入居希望者が多いのに入居できる物件が少ない、という借り手が不利になる逆転現象が一部で起きている。部屋は空いていても、オーナーの意向で外国人や高齢者など、特定の層を断るケースが多いからだ。ただ、こうした層は、人口減少社会の中でむしろ増加している。いたずらにトラブルをおそれて、このような入居希望者を断るのは、大きな機会損失になるだろう。
低額所得者に対しては、家賃の支払い能力に不安があり、入居審査の基準に合わないケースも多い。ただ、住宅セーフティネット制度の活用などで解決できることもあるので、一度検討してみてほしい。下記のように適切な対策を立てれば、有望な入居者ターゲットを再発見できることを知っておこう。
多様なニーズに応え新たな入居者を開拓する
今や11人に1人ともいわれるLGBT(セクシャルマイノリティ)に対する抵抗感を持つオーナーも少なくない。SUUMOの調査(※1)では、同性カップルの「入居許可をためらう」「入居してほしくない」を合わせると、4割を超える。しかし、内面が異なるだけで、家賃の支払い能力とは関係ない。意識を変えれば対応可能だ。
自分で内装に手を入れられるDIY希望者も増えており、部屋探しポータルサイトでは「こだわり検索条件」の項目に「DIY可」が入っている。これこそ築古ならではの入居者ターゲットといえる。未経験の契約形態が不安な方は、国土交通省が発表している「DIY型賃貸借のすすめ」などを参考に、トライしてみては。
近年増えている入居者層と受け入れる際のポイント
見守りシステムやサービス(電気使用量、人感センサーなどでチェックし、メール等で通知)、孤独死に伴う家賃損失・原状回復費用を補償する保険に加入する。
日本の総人口に対する単身高齢者(65歳以上)の割合/2020年=34%、2040年=40%
初期費用なしのマンスリー契約や定期借家契約、カード決済可、家具・家電付きにする、無料Wi-Fiの設置、多言語の生活ルール案内の交付などが必要。外国人専門の家賃保証を利用するとより安心。
在留外国人数/273万1,093人(2018年末現在)、前年比6.6%増
※法務省入国管理局 統計より
LGBTは、性自認や性的指向など内面的な違いであって、家賃支払い能力とは無関係。純粋に意識の切り替えだけで対応可能。書類上の性別覧をなくすなど配慮は必要。
人口比率/8.9%▶︎11人に1人(2018年)
※電通調査
火災時を想定し、内装材の燃えにくさを規定した「内装制限」(建築基準法や消防法に規定)に注意。(一般社団法人HEAD研究会「賃貸DIYガイドライン」44ページ参照)
「『借主負担DIY 型』賃貸借契約を利用してみたい」46.9%
※『賃貸住宅におけるDIY意向調査』
低額所得者、高齢者、子育て世帯、被災者、外国人など、要配慮者専用住宅の場合、改修費補助や家賃・家賃債務保証料の低廉化補助がある。
住宅セーフティネット制度とは
住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度。専用住宅にするための改修・入居に向けた経済的支援、住宅確保要配慮者と建物のマッチング・入居支援の枠組みを提供。