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【築古物件の空室対策】コストをかけずに入居率を高める!

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“築古物件の空室対策”というと、多額の出費を伴うと思いがち。しかし、必ずしもコストをかけなくても、空室を埋めることは可能だ。頭を切り替え、新たなサービスを採り入れるだけで改善できる対策を紹介しよう。

受け入れの幅を広げる

近年増えている入居者層を柔軟に受け入れよう

年々空き家が増え、賃貸の空室率は上がっている。賃貸市場全体として見れば、入居者が有利な「借り手市場」のはず。しかし、入居希望者が多いのに入居できる物件が少ない、という借り手が不利になる逆転現象が一部で起きている。部屋は空いていても、オーナーの意向で外国人や高齢者など、特定の層を断るケースが多いからだ。ただ、こうした層は、人口減少社会の中でむしろ増加している。いたずらにトラブルをおそれて、このような入居希望者を断るのは、大きな機会損失になるだろう。

低額所得者に対しては、家賃の支払い能力に不安があり、入居審査の基準に合わないケースも多い。ただ、住宅セーフティネット制度の活用などで解決できることもあるので、一度検討してみてほしい。下記のように適切な対策を立てれば、有望な入居者ターゲットを再発見できることを知っておこう。

多様なニーズに応え新たな入居者を開拓する

今や11人に1人ともいわれるLGBT(セクシャルマイノリティ)に対する抵抗感を持つオーナーも少なくない。SUUMOの調査(※1)では、同性カップルの「入居許可をためらう」「入居してほしくない」を合わせると、4割を超える。しかし、内面が異なるだけで、家賃の支払い能力とは関係ない。意識を変えれば対応可能だ。

自分で内装に手を入れられるDIY希望者も増えており、部屋探しポータルサイトでは「こだわり検索条件」の項目に「DIY可」が入っている。これこそ築古ならではの入居者ターゲットといえる。未経験の契約形態が不安な方は、国土交通省が発表している「DIY型賃貸借のすすめ」などを参考に、トライしてみては。

近年増えている入居者層と受け入れる際のポイント

高齢者

見守りシステムやサービス(電気使用量、人感センサーなどでチェックし、メール等で通知)、孤独死に伴う家賃損失・原状回復費用を補償する保険に加入する。

日本の総人口に対する単身高齢者(65歳以上)の割合/2020年=34%、2040年=40%

外国人

初期費用なしのマンスリー契約や定期借家契約、カード決済可、家具・家電付きにする、無料Wi-Fiの設置、多言語の生活ルール案内の交付などが必要。外国人専門の家賃保証を利用するとより安心。

在留外国人数/273万1,093人(2018年末現在)、前年比6.6%増
※法務省入国管理局 統計より

LGBT

LGBTは、性自認や性的指向など内面的な違いであって、家賃支払い能力とは無関係。純粋に意識の切り替えだけで対応可能。書類上の性別覧をなくすなど配慮は必要。

人口比率/8.9%▶︎11人に1人(2018年)
※電通調査

DIY希望

火災時を想定し、内装材の燃えにくさを規定した「内装制限」(建築基準法や消防法に規定)に注意。(一般社団法人HEAD研究会「賃貸DIYガイドライン」44ページ参照)

「『借主負担DIY 型』賃貸借契約を利用してみたい」46.9%
※『賃貸住宅におけるDIY意向調査』

住宅確保要配慮者

低額所得者、高齢者、子育て世帯、被災者、外国人など、要配慮者専用住宅の場合、改修費補助や家賃・家賃債務保証料の低廉化補助がある。

住宅セーフティネット制度とは

住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度。専用住宅にするための改修・入居に向けた経済的支援、住宅確保要配慮者と建物のマッチング・入居支援の枠組みを提供。

物件の魅力を高める

築古の弱点をカバーして物件を魅力的に見せる

部屋探しの主流であるネット検索では、物件の内装写真が大きなポイント。近年では、室内に家具や小物を配置し、モデルルームのようにする「ホームステージング」を導入する物件が増えている。何もない空間よりも広がりが生まれ、生活のイメージがわくため、成約につながりやすくなる。ステージング済みの部屋の写真で物件の閲覧数を高め、内見時の第一印象を良くするのに役立つという声も多い。

築古物件でも、ホームステージングをすることで、室内を魅力的に見せられるのでおすすめだ。自分で行うことももちろんできるが、もし自信がなければ、最近では、ホームステージング用のサービスを取り扱う企業も増えているので利用してみてほしい(下コラム参照)。

コストを抑え付加価値アップ|特長を伝えることも忘れずに

入居時の初期費用を抑えたいというニーズを反映して、「家具付/家電付」の物件特集コーナーを設ける部屋探しポータルサイトも増えている。学生や社会人1年生の新生活のスタートに必要なセット(冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・ベッド・デスク・テレビ・照明器具など)をあらかじめ用意しておくことで、空室解消につながる可能性は高まるはずだ。

また、立地のハンデを克服する対策として、レンタル自転車を用意し、駅前の駐輪場料金も負担することで、空室を埋めた例もある。

こうした対策を行うことにより、家賃を値下げすることなく空室期間を短くできる。物件の資産価値を下げることもないので、まずは行動してみてほしい。

このように付加価値を少し高めた上で、客付けをする仲介会社との関係を深め、物件の特長をしっかりと伝えることが大切だ。

お手頃価格で始められるホームステージング用のサービスが急増中!

近年、家具レンタルや室内レイアウトのアドバイスなど、「ホームステージング」に関するサービスが増えている。たとえば「空間DECO」が提供しているサービスは、ワンルームプラン(家具5点、小物15点まで)が3カ月レンタルで6万円。ニトリでは、1~2人用(LD)が1カ月レンタル=8.5万円~。撮影もオプションで8000円からとお手頃なサービスも付いている。

〈空間DECOのホームステージング例〉
【築古物件の空室対策】コストをかけずに入居率を高める!2

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契約条件を変える

フリーレントも一つの策|家賃の値下げは最終手段

初期費用を節約したい入居者に有効なのが、敷金や礼金を減らすなどの契約条件の変更だ。最近は「ゼロ・ゼロ物件」も増えている。また、敷金・礼金の削減以外にも、フリーレントにするという手もある。家賃を5%値下げするよりも、フリーレント1カ月のほうが減収額は少なく、募集広告にその旨を記載することによる集客効果は高い。家賃の値下げは、資産価値にも影響するため、最後の手段にしたほうがいいだろう。

フリーレントと家賃値下げの減収額の比較
【築古物件の空室対策】コストをかけずに入居率を高める!2

例:家賃7万円、2年契約の場合

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2019年9月4日時点のものです。

取材・文/木村 元紀 イラスト/加藤 愛里(asterisk-agency)

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