相続税の節税重視から「財産を守る」相続対策へ

私は、相続税ばかりを気にして失敗した事例を数多くみてきたことから、『節税中心の相続対策の発想から、“収入（キャッシュフロー※以下CF）を上げる事により相続から財産を守る相続対策”の発想に頭を切り替えましょう！』と提唱している。

富裕層の相続対策を考える際、私は５つの視点からアプローチする。『相続対策の三原則』の3つの視点だけでは不十分だからだ。

三原則にプラスして重視する４つ目の視点は『財産の運用と保全』、5つ目は『まさかへの備え』である。

この4つ目の視点『財産の運用（収入（ＣＦ）アップ）』に関しては、大きく分けて金融資産の運用と不動産資産の運用に分ける事ができるが、相続対策として
特に重要になるのが不動産資産の運用“不動産相続対策”である。

そのポイントは「良い不動産の所有（良い不動産の購入や良い土地の有効活用を行うこと。ただし借入をしすぎない）」、そして「法人を徹底的に活用すること」。

土地活用、収益不動産の購入において、世間では「相続税の節税」を謳い文句に、業者側の都合に合わせた提案がなされているケースも多いので注意が必要だ。とは言え、正しい理解のもと、適切な方法と適切な資金計画で不動産を活用する事で収入（ＣＦ）がアップし、結果として財産の評価額が下がる可能性が高い事も事実である。

不動産の運用においては「法人」を徹底的に活用することが相続税の納税資金対策にもつながり、財産をできるだけ減らさずに相続を乗り切ることができるようになるのである。

⇒NEXT：次回は、法人活用の具体例を用いて解説していきます。（2020年12月中旬公開）

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