大ブーム到来! なぜ売れる? 「不動産小口化商品」 そのリスクを理解しよう|高田吉孝の不動産相続対策講座6
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最近、資産運用や相続対策として「不動産小口化商品」が注目を集めています。多くの事業者が参入し、市場に小口化商品があふれる中、購入時にはその投資リスクを理解し、良い商品を見極める必要があります。今回は、不動産小口化商品の注意点について解説していきましょう。
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CFP(1級FP技能士)、公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士
たかだ・よしたか●相続対策、不動産コンサルティング実績は数百件におよぶ、相続不動産コンサルティングの第一人者。著書『やってはいけない不動産相続対策』(2016年・実業之日本社)、『After2020年 不動産オーナー&都市農家が負動産にしない不動産相続対策』(2019年日経BP社)ほか、週刊ダイヤモンド・東洋経済・エコノミストなどのビジネス誌、業界紙への寄稿実績多数。
世はまさに“不動産小口化商品”乱立時代
一般的にはまだまだこれからの潮流かもしれませんが、業界的にはすでに大ブームとなり、多くの事業者が参画してきているのが「不動産小口化商品」です。
不動産小口化商品とは、1棟の不動産や複数棟をまとめた不動産等を、1口10万円~1,000万円の小口にして販売している商品のこと。1棟の不動産が1匹の鮭とすれば、小口化商品は鮭の切り身(ひと切れ)のようなものです。1匹の鮭だと買い手は限られていましたが、切り身にして売ることで買い手が増えて良く売れる、といった状況となっています。
小口化商品の対象となる不動産は、アパート・マンション・戸建てなどの賃貸住宅を始め、オフィスビルや店舗(商業施設)から時間貸駐車場など様々。リノベーション物件や開発型の不動産もありますが、多くは中古物件か新築物件で、投資期間も商品によって異なります。
以前は東京を中心とした都心の不動産が多かったものの、小口化商品の広がりとともに、今では地方の新築賃貸アパートや新築の戸建てで賃貸住宅を小口化商品にして、利回りをアピールして販売しているものもあります。
様々な小口化商品の販売広告を見ていて、特に違和感をおぼえた例を紹介しましょう。広く流通している一般的な中古区分マンションの1部屋を、クラウドファンディングなどと謳って1口10万円~100万円に小口化し、購入者を募集していた商品です。たった3カ月の運用期間、利回り5.5%は年率でした。
このように、小口化商品と言われる中には、どう考えても投資マンションを売るための見込み顧客を集める商品としか思えないようなものも存在しています。
簡単に言うと、現在の不動産小口化商品はまさに『玉石混交』。利回りや相続税の節約効果などのPRにつられて安易に購入すると、将来大変な目に合うかもしれないので、購入する際は本当に気をつけなければなりません。
この連載は不動産相続対策講座なので、相続税対策の効果がよくPRされている任意組合型の不動産小口化商品のリスクについて解説すべきですが、ここからは匿名組合型の商品も含めて、小口化商品全般に共通する注意点について簡単に解説したいと思います。
不動産小口化商品は大きく2つに分かれる「匿名組合型」・「任意組合型」
匿名組合型は、取得した不動産が事業者の単独所有です。
出資者が得る配当金は原則雑所得扱いで、出資金の相続時評価は時価となります。
任意組合型は、不動産の所有権は事業者を含む組合員全員の共有です。
出資者の配当金は不動産所得、相続税評価も不動産と同じになります。
匿名組合型 | 任意組合型 | |
不動産の所有権 | なし | あり |
配当金の適用税制 | 雑所得 | 不動産所得 |
相続対策 | × | 〇 |
運用期間 | 短期~中期 | 中期~長期 |
向いている人 | ・ 不動産を所有しない投資事業をしたい人 ・ 少額から投資を始めたい人 |
・ 相続税対策を検討中の人 ・ 都心一等地の不動産を 所有したい人 |
いずれ問題が起こりそうな不動産小口化商品
小口化されていても基本は不動産なので、購入する際の注意点はこれまでの連載で述べてきた内容と変わりません。
しかし小口化されていることで、購入者は不動産の価値や質など「不動産そのもの」への関心が薄れるのでしょうか。その不動産のことをしっかりと調べずに購入する人が多いようです。
積算価格や立地など本来の不動産としての価値や、利回りの算定基準となっている家賃設定が適正であるかは、やはり最低限チェックする必要があります。
さらに注意すべき点は、その商品の流動性です。
「売りたい時に売ることができるのだろうか?」
ここが通常の不動産と大きく違う点であり、販売元の事業者の評判や実績を含めて、よく注意しなければなりません。
小口化商品は、基本的には現金で購入する商品なので、かぼちゃの馬車のシェアハウス問題のような借入返済ができなくなるといった融資に絡むトラブルは起きないでしょう。
しかし、私は間違いなく数年以内に小口化商品で大きな問題が起こると確信しています。なぜならば、すでにどう見ても商品性に疑問のあるものや、前述のようにただの見込み顧客集めに販売(広告)しているものも多く見かけているからです。
玉石混交の商品の中から、「石」ではなく「玉」を掴むために、不動産そのものを見極める視点を忘れず、慎重に選んでいただきたいと思います。
※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2021年12月9日時点のものです。
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