挑戦する2代目大家。ニーズを見据えた快適な住まいの提供で安定経営を実現

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公開日:2019年1月18日
更新日:2019年10月8日
挑戦する2代目大家。ニーズを見据えた快適な住まいの提供で安定経営を実現1

在宅介護事業の経営者として10年以上のキャリアを積み上げてきた中村さん。しかし、4年前に訪れた想定外の相続により、賃貸経営の道に進むと、その状況を前向きにとらえて努力を積み重ね、現在では所有している物件はいずれも安定経営を継続。そんな中村さんに、賃貸経営を決断された際の想いやこれまでの苦労、そして今後の目標を伺った。

挑戦する2代目大家。ニーズを見据えた快適な住まいの提供で安定経営を実現2

大阪府八尾市 中村 光誠(なかむら みつみ)さん

48歳。在宅介護事業を行う(有)ケア・サービスこうせいと、不動産の賃貸・管理業務を行う(株)幸誠社の代表を兼務。東大阪市でアパート4棟・63室と数百坪の借地・借家を管理している。福祉住環境コーディネーター2級の他、不動産経営に必要な資格を数々取得。今後も様々な挑戦を検討しており、精力的に活動している。

突然の相続で賃貸経営者に。努力を重ねて未経験を克服

10年以上に渡り、在宅介護事業を経営していた中村さん。しかし、2014年1月に想定外の相続が発生。地主の家に養子に入った弟が先代の逝去で不動産を相続するも、その後間もなく急死。両親が全遺産を相続することになった。

その内訳は貸家、借地が大半だが、残債が2億円以上ある賃貸マンションもあった。家族会議を重ね、一度は相続放棄も考えたが、賃貸事業を立て直そうと一念発起。経営・管理を中村さんが代行することとなったが、この時点で賃貸経営の経験は皆無だった。

そこで、まずは不動産関係の知識を高めようと猛勉強し、情報収集に励んだ。

「人生で一番勉強したかもしれません。2年目に宅地建物取引士試験に合格し、徐々に不動産業が面白くなってきました」と当時を振り返る中村さん。

賃貸不動産経営管理士などの資格も取得し、積極的に行動を重ねて、着実に大家力を高めていった。

借地トラブルも自力で解決!新築物件も軒並み満室経営

1年目から築20年のマンションと倉庫の大規模修繕を実行。マンションは、電気代の削減につながる照明のLED化や最新のインターホンへの交換なども行い、ニーズに合わせた物件に再生。8室の空室は工事完了後に満室となった。

さらに、相続した借地を整理し、法人を設立して1棟目を建築することを決意。しかし、引き継いだ借地は、地代滞納や借地権者の行方不明など、問題が山積みだった。

「1軒ずつ回って未納の地代を1年で回収し、立ち退き問題も話し合いで解決しました。両親名義の残債は信金から都市銀行で借り換えることで金利が下がり、返済期間も延長。その結果、キャッシュフローが改善され、将来の大規模修繕などに備えることができました」

借地も整理され、2年目に1棟目のアパート建築を検討していた際、ある物件の美しさに目を引かれた。調べたところ、偶然にも知人がオーナーだった。そこで設計・施工をした(株)KTI建設工業を紹介してもらい、発注に至った。

「2×4工法、木造でのデザイナーズで唯一無二の物件を建てていただけますし、20年30年後でも勝負できる物件を作るためにお願いしました。木造ですが、2・3階の床下にはコンクリートが敷かれていて防音効果もあり、将来の資産のことを考えても、多くのメリットがありました。また、豊富な経験と広い視野を持つ同社の大谷専務から的確なアドバイスがあり、現場監督の中澤さんとは電話やメールで密に連絡を取り、細かい提案にも応えてくれたので大満足の物件ができました」と中村さん。

これまでに同社で3棟を建築し、それらの物件は今でもすべて満室。賃貸経営を始めた当時から、新しい入居者の入居には必ず立ち会うなど、オーナーとしてできることを積極的に継続。市場調査や入居者が満足できる住まいづくりなどの行動も含めて、平均利回り10%超の安定経営につながっている。

様々な資産運用で分散投資。果敢な姿勢でさらなる挑戦

介護事業を手がけてきたことなどで得た経験から、「人生は1度きり。何でもトライしよう」という気持ちが強い中村さん。

今後は、残りの借地が空いたら新築を建てる他、リスク分散を図るため一部は売却し資産を組み換えるなど柔軟に考えている。古い戸建て物件を安く購入し、得意のDIYでリノベーションをして貸し出すことも検討中だ。また、介護の現場で知り合った、厳しい環境で暮らす在日ベトナム人たちに住居を安く提供したいと考えている。

「様々な専門家の方々の助けもあり、不動産という未知の世界を大きなトラブルもなく、進むことができました。これからもチャレンジを続けて、入居者が少しでも快適に、そして幸せに暮らしていけるような住まいを提供し続けていきたいです」

これからも中村さんが、賃貸経営でどんな挑戦をして新世界を切り拓いていくのか楽しみにしたい。

挑戦する2代目大家。ニーズを見据えた快適な住まいの提供で安定経営を実現2

中村さん(左)とKTI建設工業の現場監督・中澤さん(右)

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3棟目の「グランオリオン柏田東町」。外壁は20年経っても色あせないダメージ加工のサイディングを採用

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各戸に自ら購入したシーリングファンや、室内物干しなどを設置

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外観同様に美しい洋風のデザインが目を引くエントランス

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様々な教えを受けたKTI建設工業の大谷専務おすすめのLEDラインライトが、夜間エントランスを明るく照らす

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 廊下にサンシェードを張って外からの視線を遮断

自らDIYをしてコスト削減!最低限の費用で築古物件の価値を再生

築20年のマンションの床、壁などをDIYでリフォーム。室内ドアも高価な補修用シートではなく、100円ショップで購入したシートを使い、美しく蘇らせた。

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before

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※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2019年1月11日時点のものです。

取材・文/皆元 初香 撮影/水野 浩志

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