賃貸物件でよく起こるトラブル事例6選!発生したらどう対応すればいい?経験豊富な大家さんが解説

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公開日:2023年9月19日
更新日:2024年3月8日
賃貸物件でよく起こるトラブル事例6選!発生したらどう対応すればいい?経験豊富な大家さんが解説1

大家さんであれば賃貸経営をしている間に一度は遭遇する、管理をめぐる困りごと。いざというとき慌てないために、大家さん・管理会社として経験豊富な渡辺さんと廣田さんに、改善策や注意点を聞きました。

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この記事の監修者
賃貸物件でよく起こるトラブル事例6選!発生したらどう対応すればいい?経験豊富な大家さんが解説2

株式会社みまもルーム 代表取締役 渡辺 よしゆき さん

大家業の経験を活かし、大家目線の管理会社として2014 年に設立。著書・講演など幅広く活動。

賃貸物件でよく起こるトラブル事例6選!発生したらどう対応すればいい?経験豊富な大家さんが解説2

合同会社アップ 代表社員 廣田 裕司さん

大家としての経験、不動産会社としての経験を活かし、大家さんの賃貸経営をサポートしている。

Case1「滞納」/入居者が家賃を2カ月も滞納、どう対応すべき?

賃貸物件でよく起こるトラブル事例6選!発生したらどう対応すればいい?経験豊富な大家さんが解説2

大家さんのお悩み

入居者の家賃滞納が2カ月目に入りました。明け渡しの手続きには、3カ月は
待ったほうがいいと聞いたことがありますが、どうすべきか迷っています。

滞納トラブル対応策|督促手続きを即開始。1カ月目から訴訟準備に

家賃の収納管理の方式によって、滞納への対処法は変わります。

自主管理の場合、入居者は大家さんの銀行口座に直接振り込む(または手渡し)ので、大家さん自身が入金状況を確認、督促や明け渡し訴訟の手続きを行わなければなりません。

委託管理で管理会社の口座へ振り込む集金代行なら、管理会社が入金を確認し、未入金ならすぐに督促の連絡を行うでしょう。

1回目の滞納は、振り込み忘れの事も多く、電話やメールで連絡すると振り込まれることも。そのため1~2カ月は督促の手続きにとどめ、3カ月経っても支払われなかった場合に、簡易裁判所などに建物明け渡し訴訟を起こすことが一般的です。

賃貸物件でよく起こるトラブル事例6選!発生したらどう対応すればいい?経験豊富な大家さんが解説2

裁判所も、おおむね3カ月以上の長期滞納で、入居者が督促を無視して支払いの意思がなく、信頼関係が壊れたと認められる場合に、初めて強制退去を命じる要件を満たすと判断する事が多くなっています。

「ただ、明け渡し訴訟から結審するまでに3カ月程度はかかります。つまり、3カ月待ってから訴訟を起こすと、判決が出るまで半年以上も家賃が入りません。滞納の1カ月目から動き始めた方がいいでしょう」(廣田さん)

督促1回目の入居者側の応答次第で判断すると良いでしょう。

一方、家賃債務保証会社を利用すれば、滞納が起きても大家さんには家賃が振り込まれ、督促から明け渡しまで代行してくれます。

「保証会社を使っても、集金管理は自分で行う大家さんもいます。未入金があった場合は自分で確認して、保証会社に事故報告をしないと動いてくれません。ですから集金代行を含めた契約がおすすめです」(渡辺さん)

家賃保証の保証料は入居者が負担するケースが多いので、滞納トラブルが不安な方は積極的に活用していきましょう。

滞納トラブルを防ぐお役立ち管理サービス「家賃債務保証」

家賃滞納時もオーナーへの家賃支払いを一定期間(2年間が多い)保証してくれる仕組みです。自主管理オーナーが加入できるタイプもあります。明け渡し手続き費用や孤独死の補償、外国人入居者への対応など様々なサービスが登場しています。

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Case2「騒音」/入居者同士で騒音トラブルが起きて、一方が退去してしまいました

賃貸物件でよく起こるトラブル事例6選!発生したらどう対応すればいい?経験豊富な大家さんが解説2

大家さんのお悩み

「上階の人が夜中に掃除機をかける音がうるさい」とクレームが入り、まもなく退去してしまいました。発生源と思われる人に直接注意をするべきだった?

騒音トラブル対応策|注意喚起の文書を全員に投函。共同生活の自覚を促す

コロナ禍で騒音トラブルは増加し、クレームの連絡も頻発しています。放置したり対応を間違えたりすると、トラブル発生源の当事者は残り、困っている入居者が退去することが多く、入居者の質の低下にもつながってしまいます。

「音の響き方、感じ方は個人差がありますが、コロナ前より騒音に対して敏感になり、受忍限度が下がっている印象です。クレームになる時点で相当ストレスがたまっているため、早めの対応が大切です」(廣田さん)

「解決を急ぐあまり、発生源の疑いのある人に直接注意することは禁物。当事者が『誰がクレームを付けたんだ?』と感情的になり、事態が深刻になるおそれがあります。『最近、音のクレームが増えています。皆さん、共同住宅なのでお互いに気を付けてください』という内容の柔らかい文書を全戸にポスティングして、注意喚起しましょう」(渡辺さん)

この他、敷地周辺の違法駐車や近隣からのクレームなどには、地域の警察派出所とも協力してスムーズな解決を目指しましょう。

騒音トラブルのお役立ち管理サービス「入居者トラブル解決サービス」

警察官OBの相談員が、騒音・迷惑行為・継続的な嫌がらせ・ストーカーなどの入居中のトラブルに対処するサービスも登場しています。必要に応じた防犯指導や、引っ越し代などの生活再建費用の一部補助もあるのでチェックしてみてください。

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Case3「設備故障」/エアコン故障の対応が遅れ、入居者から家賃の減額を要求されました

賃貸物件でよく起こるトラブル事例6選!発生したらどう対応すればいい?経験豊富な大家さんが解説2

大家さんのお悩み

夏場に室内のエアコンが故障して、復旧まで1週間以上かかりました。「契約通りの居住機能が満たされてない。この期間の家賃を下げろ」と求められました…。

設備故障の対応策|事前対策やスピード対応が大事。設備会社との連携も重要

2020年4月の民法改正で、設備などが故障して使えなくなった場合、割合に応じて「家賃は減額される」こととなりました。

「設備故障の対応はとにかくスピード第一。信頼できる設備会社を確保し、繁忙期でもすぐに修理・交換ができる体制づくりを」(渡辺さん)

「設備の寿命を想定して、故障する前に交換する事前対策も有効です」(廣田さん)

設備故障トラブルのお役立ち管理サービス「設備トラブル解決サービス」

設備不具合や水漏れなどのトラブルに、24時間対応で駆け付けてくれるサービスが便利です。入居者がトラブル動画を投稿でき、オーナーが迅速に把握できるチャット機能付きアプリや、設備故障の費用保証サービスも登場しています。

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Case4「放置ゴミ」/共用スペースの私物が目立ち、ゴミ集積所に粗大ゴミが放置されています

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大家さんのお悩み

建物の入り口に紙屑や落ち葉が散乱、廊下には私物の放置が目立ってきました。ゴミ集積所に粗大ゴミも。どうしたら入居者にルールを守ってもらえますか?

放置ゴミトラブルの対応策|管理会社との清掃契約をチェック。残置物の安易な処分は注意

賃貸物件の清掃業務は、快適で清潔な居住空間を維持するだけでなく、入居率にもかかわるポイントです。

大別すると、週に数回行う拭き・掃き掃除などの「日常清掃(巡回清掃)」と、機械清掃など3カ月~半年に1回実施する「定期清掃」があります。

委託管理の場合、日常清掃は管理委託費に含まれますが、定期清掃はオプションとして別料金が一般的。建物の規模や仕様に応じて依頼します。

賃貸物件でよく起こるトラブル事例6選!発生したらどう対応すればいい?経験豊富な大家さんが解説2

日常清掃に不満がある場合は、管理委託契約書を見て、作業対象や頻度が規定通りかどうかをチェック。規定通りなら頻度を増やすなど見直し、反しているなら業務改善を求め、改善が見られない場合は、管理会社以外の清掃サービスの利用も検討しましょう。

「難しいのがゴミかどうか判別しにくい残置物。放置自転車も同様です。勝手に捨てると法的に問題となるため、まずは入居者全員に注意喚起します。ゴミ出しルールを改めて周知し、避難経路になる共用部にモノを置くと、消防法上も問題がある点を強調しましょう。撤去の時期を知らせ、それでも反応がなければ、処分してもいいでしょう」(渡辺さん)

放置ゴミトラブルのお役立ち管理サービス「+α清掃サービス」

質の高い清掃を行う専門会社に直接依頼する方法もおすすめです。また、入居者に日常清掃を代行してもらい、その分の家賃を下げる契約も有効で、両者をつなぐサービスも。入居者であれば自分の住む場所をきれいに保ってくれるでしょう。

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Case5「長期空室」/入居募集をしていますが、長期間成約しません

賃貸物件でよく起こるトラブル事例6選!発生したらどう対応すればいい?経験豊富な大家さんが解説2

大家さんのお悩み

入居者の募集をしていますが、半年経っても成約が決まりません。仲介会社の変更や、家賃を下げたほうがいいでしょうか。他に何か有効な対策はありますか?

長期空室の対応策|大家さんから仲介会社へ営業。自分で募集するサイト活用も

家賃値下げは最終手段。その前にできる空室対策は少なくありません。例えば、ネットの部屋探しサイトに掲載されているかなどを確認していましょう。大家さん自ら仲介会社に営業したり、入居希望者を直接募集できるサイトを活用する方法もあります。

「仲介会社から家賃交渉の連絡が来ても、保留にしてしまう大家さんがいます。連絡が付く体制と即判断できる心構えも大切です」(廣田さん)

長期空室のお役立ち管理サービス「直接募集サイト・サービス」

大家さんと入居者をダイレクトにつなげて、物件の特徴を自分の言葉でアピールできる直接募集サイトもあります。また、大家さん自身が大手不動産ポータルサイトに掲載でき、募集効果もわかる客付けサービスなど、新たな仕組みも登場しています。

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Case6「管理替え」/何かと反応の遅い管理会社に不満。空室対策の提案もありません

賃貸物件でよく起こるトラブル事例6選!発生したらどう対応すればいい?経験豊富な大家さんが解説2

大家さんのお悩み

担当者へ問い合わせしても、反応が遅くて困っています。入居者が決まらなくても「家賃値下げ」を求めるだけで、有効な空室対策の提案がありません。

管理替えトラブルの対応策|管理会社の実力格差が拡大。不満の原因はオーナー側にも

専用アプリやSNSの活用でIT化を進め、オーナーや入居者とのコミュニケーションを密にして、効果的な改善提案をしてくれる管理会社が増えています。

その半面、「空室の問い合わせ状況を聞いても返答に何日もかかる」「情報共有ができていない」など、何かにつけレスポンスが遅い管理会社は未だに珍しくありません。

空室期間が長引いても「家賃を値下げしないと決まらない。市況が悪い」というばかりで、リノベーションなど有効な対策が出されないという声もよく聞きます。

一方、大家さん側に原因がある可能性も。

賃貸物件でよく起こるトラブル事例6選!発生したらどう対応すればいい?経験豊富な大家さんが解説2

「管理会社に任せているのだからと、委託費に含まれていない過大な要求する大家さんもいます。とにかく空室を埋めろと高圧的に迫る態度なども好ましくありません」(廣田さん)

「大家さんと管理会社の共通の利益になる空室対策の提案をしても、『出費』に拒絶反応を示して耳を貸さない大家さんがいます。これでは改善できません。真剣に提案を聞き、前向きに検討してみましょう」(渡辺さん)

大家さん自身の振る舞いや管理会社との関係を見直しつつ、期待に応えてくれないなら、管理会社の変更も視野に入れましょう。

管理業務の中身と質で判断。最善の管理会社をパートナーに

「管理会社に対する委託手数料は、家賃収入の2~8%で、平均5%程度と言われています。管理替えを検討するなら、単に手数料の割合の高さを見るのではなく、管理業務の中身と質で判断することが大切です」(渡辺さん)

管理会社の変更にはおおむね3カ月以上を見ておくと安心。管理委託契約の約款には「3カ月前に解約の申し入れをする」旨の規定があるうえに、管理会社への解約申し入れや、入居者への振込先変更通知、新旧管理会社の業務引継ぎなど、手続き完了までには一定の期間が必要になってきます。スムーズに移行できるよう、変更先の管理会社と連携して進めましょう。

管理替えに関するお役立ち記事はこちら

定期的な見直しと改善で自分流の管理術を目指す

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よくある管理の困りごと・トラブルが発生してしまった場合、どのように対処すれば良いかを解説してきましたが、知識を得るだけでなく、実際に行動することが大切です。

例えば管理会社に不満があるなら、管理替えを検討してみましょう。

「大家さんの困りごとに対してすぐに連絡が来なかったり、有効な提案を出せない管理会社は、業務を委託する最低限の基準に達していません。ビジネスパートナーとしての資格がないと判断してもいいでしょう」(渡辺さん)

自主管理が大変だと感じている大家さんは、賃貸管理をサポートしてくれる便利なサービスを調べてみましょう。

「管理の一部だけ外部サービスを利用したり、物件やターゲットによって、自主管理と委託管理を使い分ける大家さんもいます。経営者であるという意識を持って、ベストな管理を目指しましょう」(廣田さん)

定期的に賃貸管理の内容を見直し、新しい管理方法も取り入れながら、自分なりの「管理のアップデート」をしていきましょう。

※この記事内のデータ、数値などに関しては2023年9月6日時点の情報です。

取材・文/木村 元紀

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